研究課題/領域番号 |
10304018
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 英行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90030030)
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研究分担者 |
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (50144530)
青井 考 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (00311647)
民井 淳 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (20302804)
若狭 智嗣 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (10311771)
岡村 弘之 埼玉大学, 理学部, 助教授 (10221144)
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キーワード | ガモフテラー遷移 / 池田和則 / クオーク自由度 / (n, p)反応 / 単色中性子ビーム |
研究概要 |
本研究は、β+型GT遷移強度を、中問エネルギー(n, p)反応の微分散乱断面積及び偏極移行係数の精密測定から抽出し、池田の和則との比較から核内におけるクオーク自由度の関与を定量的に明らかにするのが目的である。 この目的のためには、擬単色中性子生成システムならびに標的粒子検出器系が必要であるが、昨年度までに設計・製作を予定通り終了し、実験を開始した。今年度も実験を続けるとともに、解析を進め最終結論を得た。具体的には、1. 300MeVに於いて^<90>Zr(n, p)反応の微分散乱断面積の追実験を昨年に引続き行い、データの統計精度の向上を計った。 2.この結果を多重極展開法で解析した。β^+ガモフテラー遷移強度が3.0±0.4と求まった。この値と以前に我々が求めたβ^-ガモフテラー遷移強度と組み合わせて、スピン和則値がQ=0.83±0.06と決められた。これから、核子・Δ粒子の結合定数(クオークスピン反転確率に比例する量)が、g'_<NΔ>=0.28-0.35と得られた。 3.^<27>Al(n, p)反応の測定を新たに行った。これについては現在データ解析中である。 4.本研究の研究成果は、(a)8月に米国バークレーで開催された原子核国際会議INPC2001に於いて、口頭発表ならびにポスター、(b)9月に日本で開催された、「日本イアタリア重イオン物理学シンポジウム」、また10月に米国インディアナで開催された、「偏極イオン源と標的国際シンポジウム」ならびに10月に米国ハワイで開催された、「日米合同核物理学会」に於いて招待講演、として発表された。 以上の様に、本年度は全て当初の予定通り順調に進んだ。
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