研究課題/領域番号 |
10304019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大塚 孝治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20201379)
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研究分担者 |
久保野 茂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20126048)
石原 正泰 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40013396)
本間 道雄 会津大学, コンピュータ理工学部, 講師 (40264569)
水崎 高浩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50251400)
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キーワード | モンテカルロ殻模型 / 殻模型 / 量子モンテカルロ対角化法 / 並列計算機 / ^<56>Ni / sd殻模型 / ポテンシャル・エネルギー面 / GCM |
研究概要 |
量子モンテカルロ対角化法(QMCD)法により大規模殼模型計算を行った。QMCD法の方法論としての改良をさらに進め、より効率的に計算できるようになった。同時に、演算機能に優れた高性能ワークステーションを導入し、それらを結合して並列計算機システムを構成し、計算を実行した。10年度に導入したのは、DEC社製の533MHzの演算性能を持つAlpha 21164LX CPUを積んだ計算機8台で並列機を構成するもの、及び、より新鋭のAlpha 21264 CPU2台を積んだDS20サーバーである。^<56>Ni及びその周辺の原子核に於ける二重閉殻構造の破れや変形共存現象、sd殻原子核の中性子過剰な不安定アイソトープの構造、相関対基底による重い原子核での球形一変形の「相転移」現象、などを研究した。 並列計算機の導入と合わせて、モンテカルロ計算の特色を生かして、並列計算機での効率的な計算ができるように、アルゴリズムとプログラムの改良を行った。特にポテンシャル・エネルギー面やGCM解析の導入は重要である。ポテンシャル・エネルギー面を殼模型ハミルトニアンに対して求めた試みは恐らく初めてである。QMCD法の特徴として、ポテンシャル・エネルギー面が自然に取り入られる。pf殼原子核に於ける変形共存、不安定sd殼原子核に於けるN=20魔法数の破れの研究に大いに役立った。ポテンシャル・エネルギー面で得られる波動関数を用いてGCM計算もpf殼原子核での励起解明に大変有用である事が分かった。更に、角運動量射影ハートリー・フォック計算が可能になり、それによりQMCD計算での初期基底が得られ、最終結果への見通しも比較的容易につくようになった。
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