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1998 年度 実績報告書

スピン偏極した不安定核ビーム生成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10304020
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 憲明  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028152)

研究分担者 宮武 宇也  高エネルギー加速器研究機構, 助教授 (50190799)
出水 秀明  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294153)
清水 俊  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60294146)
下田 正  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70135656)
キーワード不安定核 / 中性子ハロー核 / 磁気モーメント / スピン偏極 / 偏極電子移行反応 / レーザー光ポンピング / チタンサファイアレーザー / ビームフォイル分光法
研究概要

近年、安定領域から遠く離れた不安定核を大量に生成しビームとして供給する、不安定核ビーム施設が稼働しつつある。本研究は、任意の不安定核のスピンを偏極させる方法を開発しようというものである。成功すれば、不安定核の波動関数を求めるための核分光的測定が可能となり、不安定核の特異な構造を解明することが可能になる。さらに、不安定核が崩壊する際に放出する放射線を用いて物資内部や生体内部の様子を探るという新しい応用にもつながる。
われわれの採用したのは、スピン偏極した電子を不安定核イオンに受け渡すという方法である。偏極電子としてアルカリ原子の最外殻電子を用いる。電子スピンは、レザー光ポンピング法によって、100%近く偏極させることが可能である。これは陽子については非常な成功を収めているが、重い核については例がない。そこで、その有効性を実証し、最適条件を探るためのテスト実験装置を製作した。実験装置は、安定核イオンビームを供給する部分、アルカリ原子Rbの最外殻電子を光ポンピングによって偏極させイオンビームと衝突させる部分、ビームフォイル分光法に基づいて核偏極を測定する部分からなる。平成10年度末までに、装置の9割が完成した。これまでに、Rbを90%程度に偏極させることに成功した。また、核偏極を非常に高感度で測定出来るシステムを完成させた。核偏極を生成する実験の準備がほぼ整ったと言える。実験は平成11年度の早い時期に行うことが出来るであろう。

研究成果

(5件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] 下田 正: "液体ヘリウムを用いたイオン・中性原子のトラップ-核分光への応用研究の現状と今後の実験計画" 京都大学原子炉実験所研究会報告書. KURRI-KR-15. 48-53 (1997)

  • [文献書誌] 谷本明佳: "レーザー光ポンピングを用いた核スピン偏極生成" 高エネルギー加速器研究機構ワークショップ報告書. JHF-97-5. 75-82 (1997)

  • [文献書誌] 中沢孝彦: "Rbの光ポンピング法におけるレート方程式" 高エネルギー加速器研究機構ワークショップ報告書. JHF-97-5. 83-86 (1997)

  • [文献書誌] T.Shimoda: "Physics with Spin-Polarized Radioactive Nuclear Beams" Proc.Int.Workshop on JHF Science(JHF98). JHF-98-2. II-337-340 (1998)

  • [文献書誌] 清水 俊: "スピン偏極した不安定核ビームの開発とそれを用いた殻分光的研究" 素粒子論研究. (掲載予定). (1999)

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公開日: 1999-12-10   更新日: 2016-04-21  

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