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1998 年度 実績報告書

原子間力顕微鏡を用いた分子レベルでのタンパク質結晶化のその場観察による研究

研究課題

研究課題/領域番号 10304023
研究機関東北大学

研究代表者

タービン ステエフアン デユエン  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10301045)

研究分担者 吉川 彰  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50292264)
佐崎 元  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60261509)
宮下 哲  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00219776)
キーワードタンパク質結晶 / 原子間力顕微鏡
研究概要

821807
本研究の目的は、タンパク質の結晶化機構の研究を個々の分子レベルまで拡大することにある。そのためには、原子間力顕微鏡(AFM)を使って、適当な時間・空間分解能で現象を追うことが必要である。この目的のため、従来の接触型ではなく、非接触のタッピングモードを有するAFM(Digital Instruments社製)を使った測定系を立ち上げた。このAFMを使い、卵白リソチーム結晶を使って、成長している結晶表面の観察を行った。その結果、分子高さのステップが結晶表面を移動し結晶が成長する過程を観察することに成功した。この装置の実質的な最高走査速度は20Hzであり、時間分解能は50msである。この時間分解能は、ステップへの分子の取り込み過程といった分子レベル過程を測定するには十分ではない。そこで、この装置にデータ収集装置を結合させ、AFMの光検知器の信号を、AFMよりも先に処理することで、高速に現象を測定出来るようにした。この改良により、タッピングモードでAFMが動作しているとき、チップの位置での情報が瞬時に記録され、タッピングモードの振動周波数の時間分解能でサンプルの高さの情報が得られるようになった。この装置を用いてリソチーム水溶液系での装置特性を調べた。その結果、タッピングモードの共鳴周波数は10kHz、半値幅は5kHzと広がっていることがわかった。この条件下では、AFMのチップを一点で振動させた場合、0.1msよりも良い時間分解能が得られる。原理的には時間分解能を犠牲にすることで、測定する空間領域を広げることができる。現在までのところ、測定できる信号は、チップの振動の最低点で決まる表面高さだけである。この信号はノイズが大きく、明確な情報を得るのが難しい。そこで、フェリチンのような大型のタンパク質を使い、より明確な信号が得られる実験を計画している。また、データ集積ソフトウエアを使って信号処理法の開発も行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Nakada: "Direct AFM observations of impurity effects on a lysozyme crystal" J.Crystal Growth. 196. 503-510 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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