研究課題/領域番号 |
10304027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀧川 仁 東京大学, 物性研究所, 教授 (10179575)
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研究分担者 |
上田 寛 東京大学, 物性研究所, 教授 (20127054)
藤原 直樹 東京大学, 物性研究所, 助手 (60272530)
樹神 克明 東京大学, 物性研究所, 助手 (10313115)
高木 英典 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40187935)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 量子スピン系 / 核磁気共鳴 / キャリアドーピング / スピンギャップ / 低次元系 |
研究概要 |
銅酸化物における高温超伝導が1986年に発見されて以来、いわゆるモット絶縁体であるところの低次元量子スピン系にキャリアを導入して伝導体さらには超伝導体を見出そうとする努力が広範になされている。その中で、本研究では核磁気共鳴を主な手段として微視的な視点から様々な低次元量子スピン系のダイナミクスを解明し、スピン系の次元性や幾何学的な構造の特徴と関連付けることを第1の目的とし、さらに元素置換によって不純物またはキャリアを導入したことによって磁気ダイナミクスにどのような変化が現れるかを理解することを第2の目的とした。前者については、梯子格子上の擬1次元スピン系、2次元の直交ダイマースピン系を中心に、励起ギャップを持つスピン系の磁気励起が示す多様な振る舞いが明らかになった。後者については、ホールをドープした梯子格子において、キャリアと磁気励起の相互作用によってキャリアの対形成が生じ、熱的に乖離したキャリアが磁気励起のダンピングを引き起こす様子が示された。更に擬1次元においては秩序化に伴う電荷の遅い揺らぎが一般的に観測されることが示された。一方、磁気励起にギャップがあるもう1つの例である近藤絶縁体において、不純物の付近に局在モーメントが現れる事が検証され、量子スピン系との興味深い類似性が見出された。研究の進展につれ、スピンと電荷の自由度だけでなく、格子変形の自由度も絡んだ現象へと興味が拡大した。その例としてTlCuCl_3おける格子変形を伴った一次の磁場誘起相転移の発見、また金属的なパイロクロア化合物Cd_2Re_2O_7における構造相転移と電子系の性質の密接な関連があげられる。これらについては現在も研究が進行中である。
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