研究課題/領域番号 |
10304039
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
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研究分担者 |
村山 雅史 高知大学, 海洋コアセンター, 助教授 (50261350)
石井 輝秋 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80111582)
徳山 英一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10107451)
岡田 誠 茨城大学, 理学部, 助手 (00250978)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 白亜紀 / チョーク / 黒色頁岩 / 無酸素事件 / ラン藻類 / 炭素同位体 / 硫黄同位体 / 青潮 |
研究概要 |
平成12年度の成果としては、黒色頁岩のラミナの成因について次ぎのことが分かったことである。黒色頁岩のラミナは下部から上部へと次ぎのサイクルをなす。 1.粘土層 2.黒色頁岩 3.放散虫を含む黒色頁岩 4.粘土層 である。Cenomanian/Turonianの黒色頁岩にはこのようなサイクルが少なくとも10サイクル以上含まれている。この内、放散虫を含む黒色頁岩では、硫化鉄の含有量が少ないことが分かった。以上のサイクルの成因として次ぎのことが考えられる。 1.粘土層は海洋成層構造の発達と生物生産の低下時期に伴う非生物砕屑粒子層 2.海洋成層構造の発達とシアノバクテリアあるいは光合成細菌による生産活動に夜有機物の堆積。 3.成層構造の一時的崩壊と湧昇、青潮による表層への栄養塩の供給、そして放散虫の発生。 白亜紀の中頃、約1億年前、の地球の姿はつぎのようなものであった。 1)海洋底の拡大速度が大きかった。 2)海陸全体にわたり莫大な火成活動があった。 3)海水面が高く、大陸の上に広く浅い海がひろがった。 4)海水、とくに深層水の温度が異常に高かった。 5)極地域に氷床が発達していなかった。 6)海底で広く有機物に富む黒色泥が堆積した。 7)浮遊性有孔虫と石灰礁の衰退が起こった。 白亜紀から新生代に書けて地球は寒冷化を歴史をたどっていった。本研究を通じて、白亜紀は低生物生産、海洋成層構造の発達した時代であり、新生代は高生物生産、湧昇循環の発達した時代であることが明らかになり、白亜紀環境の特徴は、本研究で明らかになった白亜紀超温暖期の海洋構造と生物生産モデルによって理解することができる。
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