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1998 年度 実績報告書

初期地球環境における細胞膜の形成と初期代謝の確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10304045
研究種目

基盤研究(A)

研究機関九州大学

研究代表者

村江 達士  九州大学, 理学部, 教授 (50011747)

研究分担者 山内 敬明  九州大学, 理学部, 助教授 (30242259)
北島 富美雄  九州大学, 理学部, 助手 (40274427)
キーワード原始地球環境 / 化学進化 / 細胞膜 / 古細菌 / エーテル脂質 / Thermoplasma acidophilum / 有機化合物の膜透過性
研究概要

1. 本研究では、初期地球で最も豊富に存在したと考えられるエネルギー源として、マグマオーシャンによる熱エネルギーを想定し、その冷却過程における不可逆反応を追跡した。炭素源に2%ホルムアルデヒド水溶液を用い、塩基触媒として炭酸カルシウムを存在させ、雰囲気をアルゴンで置換して酸素を除き、900℃で2時間加熱した後、毎分18℃で室温まで冷却した。生成物を種々の分光学的手段で分析し、さらにアセチル化物をGC/MSで分析した結果、3〜6単糖が生成していることが確認できた。この反応系に光反応が併用できるように装置を改良した。今後、反応素材を含めて原始地球環境に想定されているものにより近づけた条件下で実験を行う。
2. 現生生物の中で、最も原始的であると推定されているThermoplasma acidophilumを種々の炭酸ガス濃度下で培養した。その結果、炭酸ガス濃度をあげると増殖曲線の立ち上がりが早くなり、かつ増殖速度が加速されるなることが明らかになった。今後、より初期地球環境に近い条件下での増殖の様子を検討する。
3. 原始細胞膜における物質透過性を検討するため、多孔性のナイロンカプセルの作成と穴への脂質膜の張り付けを行い、内部に封じ込めた蛍光物質の漏出実験を行った。脂質として卵黄レシチンを用いた系で温度変化を行った場合、温度の上昇と漏出速度に正の相関を認めたので、今後、この系に古細菌の膜脂質であるエーテル脂質を適用し、物質透過性を検討する。
4. 上記の実験に用いる古細菌の膜脂質を実験室的に簡便に合成する方法を開発中である。
5. 古細菌の細胞膜を形成するイソプレニルエーテル脂質の原始地球環境での形成プロセスを明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Murae: "Fluorescent organic matter in carbonaceous chondrites" Advances in Space Research. 21(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] T.Yamanaka: "Isotopic fractionation of sulfur in micro zones of tidal flat sediments" Geochemical Journal. 33(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] N.Yamauchi: "Solvent-dependent stereochemical anomaly in the nucleophilic addition of ester-derived enolate to bicyclo[3,3,0]octan-2-one system of diacetone glucos-3-ulose" Chem.Lett.475-476 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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