研究課題/領域番号 |
10304054
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
合 憲三 東京理科大学, 理学部, 教授 (90147504)
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研究分担者 |
柴田 高範 岡山大学, 理学部, 助教授 (80265735)
佐藤 格 東京理科大学, 理学部, 助手 (80318196)
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キーワード | 不斉自己触媒 / ピリミジルアルカノール / 不斉合成 / ジアルキル亜鉛 / 自己増殖 / 塩素酸ナトリウム |
研究概要 |
2-アルキニルピリミジルアルカノールが不斉自己触媒となり、ジイソプロピル亜鉛の2-アルキニルピリミジンカルバルデヒドへのエナンチオ選択的付加反応において不斉自己増殖することを見出したことを元に、らせん構造をもつ不斉な炭化水素であるヘキサヘリセン存在下で不斉自己触媒反応を行った。その結果、(P)体のヘキサヘリセン存在下では絶対配置がSであるピリミジルアルカノールが95%e.e.で生成し、(M)体のヘキサヘリセン存在下では(R)-ピリミジルアルカノールが93%e.e.で生成した。円偏光による不斉合成で低いe.e.のヘキサヘリセンが得られることが知られているので、本研究は、キラルな物理力である円偏光と有機化合物の高いe.e.とを関連付けることに成功したことになる。また、重水素置換による不斉をもつ第1級アルコールを不斉開始剤として用いる不斉自己触媒反応を検討した。(S)-ベンジルアルコール-d存在下では、(R)-ピリミジルアルカノールが高いe.e.で生成した。 つぎに、水晶存在下での不斉自己触媒反応を検討した。さらに、d体の塩素酸ナトリウムの鏡像異性体存在下でジイソプロピル亜鉛をピリミジンカルバルデヒドに作用させると、絶対配置がSである98%e.e.のピリミジルアルカノールが生成することを見出した。左水晶存在下では絶対配置Rのピリミジルアルカノールが生成する。以上、本結果は、不斉な無機結晶である塩素酸ナトリウムが、有機化合物の不斉の起源となる得ることを示す意義をもつものである。
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