研究概要 |
欠陥Lindqvist型および欠陥Keggin型ポリタングステン酸の2種類の配位子を1:1および2:1の比で含む混合配位子型の希土類ポリ酸[Ln(BW_<11>O_<39>)(W_5O_<18>)]^<15->(Ln=Ce,Eu,Er)(1)、[(SbW_9O_<33>){Ln(W_5O_<18>)}_2]^<15->(Ln=Dy,Ho,Er)(2)がWO_3,H_3BO_3またはSb_2O_3,Ln^<3+>を含むpH7-8の水溶液から単離され、X線構造解析により結晶構造が求められた。1では[W_5O_<18>]^<6->と[BW_<11>O_<39>]^<9->の欠陥部位の末端酸素がLn^<3+>に結合しているのに対し、2の[SbW_9O_<33>]_<9->では欠陥部位の末端酸素および非欠陥部位の架橋酸素の両方がLn^<3+>に結合する、新しい配位様式を示した。Ln^<3+>の配位子場はいずれもsquare-antiprism型構造(8配位)であった。アニオンの対称性は1,2とも近似的にC_Sであるが、1の場合K^+カチオンの結合によりアニオンがわずかに折れ曲がっており対称性はC_Sより低下していた。
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