研究概要 |
1.欠損型Keggin構造の[XW_9O_<33>]^<9->(X=Sb, As)及び欠損型Lindqvist構造の[W_5O_<18>]^<6->を構築ブロックとし,希土類金属イオンRE^<3+>を架橋剤とする[XW_9O_<33>]^<9->:[W_5O_<18>]^<6->:RE^<3+>=1:2:2, 2:2:3, 2:0:2, 4:0:4, 6:0:6の比を持つ一連の希土類ポリタングステン酸イオン[(RE)_2(H_2O)_2(SbW_9O_<33>)(W_5O_<18>)_2]^<15->(1), [(RE)_3(H_2O)_4(SbW_9O_<33>)_2(W_5O_<18>)_2]^<21->(2), [(RE)_2O(H_2O)(AsW_9O_<33>)_2]^<14->(3), [{(RE)(H_2O)_2(AsW_9O_<33>)}4]^<24->(4), [{(RE)(H_2O)_2(AsW_9O_<33>)}_6]^<36->(5)の合成とX線構造解析を行い,いずれも新規な構造であることを明らかにし, RE^<3+>がポリ酸イオンの架橋剤として有効であることを示した。 2.化合物1内の2つのREサイトSite I, Site IIについてRE^<3+>の種類(イオン半径)による占有率の違いを発光スペクトルと結晶構造解析の両面から検討した結果, SIte Iには種々のRE^<3+>が入るのに対しSite IIにはサイズの小さなRE^<3+>が優勢的に入ることを見いだし,その理由を考察した。 3.[(RE)_2Mo_8O_27]・18H_2O(RE=Eu, Gd)の750〜800℃における熱分解により希土類モリブデン酸(RE)_2Mo_5O_<18>,(RE)_6Mo_<12>O_<45>, (RE)_4Mo_7O_<27>, (RE)_6Mo_<10>O_<39>を合成しX線構造解析を行った。これらはいずれも新規な化合物であり(RE)_4Mo_7O_<27>を除きRE=EuとGdはそれぞれ同形であった。(RE)_2Mo_5O_<11>のEu/Gd固溶体Eu_xGd_<2-x.Mo_5O_<18>は極めて高輝度の赤色蛍光体であることを見いだした。一方,[Tb_2Mo_8O_<27>]・18H_2Oの熱分解では化合物Tb_2Mo_4O_<15>が得られ,同形のHo化合物や異なる構造のLa, Ce, Pr化合物の構造と比較された。
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