研究課題/領域番号 |
10304062
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
布山 嘉章 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20087133)
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研究分担者 |
山本 雅敏 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (10142001)
大石 陸生 神戸大学, 理学部, 教授 (80030782)
木村 正人 北海道大学, 地球環境科学研究科, 教授 (30091440)
小熊 譲 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90114074)
猪股 伸幸 九州大学, 理学部, 助手 (20301335)
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キーワード | ホスト転換の遺伝的機構 / 遺伝子発現調節能の進化 / 交配前隔離機構 / 交配後隔離機構 / 交尾行動 / 性フェロモン / 種分化遺伝子 / 単為生殖の遺伝学 |
研究概要 |
1. セーシェルショウジョウバエのホスト植物への誘引性に関わる第2染色体上の遺伝子をクローニングするため、キイロショウジョウバエで相同遺伝子の突然変異誘発を試みた。 2. アミラーゼ遺伝子の発現調節機構を明らかにするため、異種間トランスフォーメイション実験系の確立を目指し、トランジェントアッセイ法を試みた。 3. ショウジョウバエの交尾の光依存性は、オス側に交尾の促進と抑制を引き起こす複眼の視覚制御機構があること、近縁種間の光依存性の顕著な差異もそれで説明されることがわかった。 4. 強い性的隔離ガ見られるアナナスショウジョウバエとD.pallidosaの求愛歌について、種々のパラメータを用いて分析したところ、両種間で周波数が異なることがわかった。 5. Drosophila simulansとD.yakubaの間の性的隔離に関与する遺伝子をD.Simulans野生集団から分離し、この遺伝子が第2およひX染色体上にあることを明らかにした。 6. カザリショウジョウバエの褐色および黒色系統のオスは、同じ系統のメスを交尾相手として選択すること、また、これにはメスの体表の炭化水素の組成の違いが関与している可能性が示された。 7. キイロショウジョウバエの自然集団から雄不妊突然変異を多数抽出し、精子形成過程を細胞学的に調査した。 8. 交配前隔離はあるが交配後隔離が存在しない種を見出すため、カブラハバチとセグロカブラハバチの間で、成熟卵子への精子注入による雑種作成を試みた結果、胚発生後期まで発生したが、孵化には至らなかった。 9. アナナスショウジョウバエと近縁種のD.pallidosaおよびpallidosa-likeにおいて、単為生殖を引き起こす劣性遺伝子を第2染色体左腕に位置づけた。この遺伝子は3種に共通のものと思わる。
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