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2000 年度 実績報告書

哺乳類子宮の形態維持機構に関わる内分泌・免疫系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10304064
研究機関東京大学

研究代表者

守 隆夫  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011659)

研究分担者 赤染 康久  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50302807)
キーワード子宮 / コラーゲン / メタロプロテアーゼ / 間質細胞 / 筋細胞 / プロテアーゼインヒビター / 子宮腺筋症 / マウス
研究概要

子宮は哺乳類にとって、胎児の成長の場としてなくてはならない器官である。内膜、筋層および漿膜からなる子宮組織は、発情周期と同調して増殖と退化を繰り返すだけでなく、妊娠の際は胎盤の形成という劇的な形態変化を起こす。しかし、内膜と筋層はその境界を仕切る基底膜構造を持たず直接接しているにもかかわらず、いかに増殖・肥厚しても自らの定位置を認識し互いの領分を犯さない。しかし、マウスを用いて実験的に内膜が筋層に侵入する内性子宮内膜症という病変を引き起こす事が出来る。この疾患モデルを用いて、逆に内膜と筋層の定位置維持にかかわる機構を解析するのが本研究の目的である。一般的にある細胞群が他の細胞群に侵入する場合、メタロプロテアーゼという蛋白質分解酵素が活性化されて、細胞外基質を分解しながら浸潤していく。このため、内膜症を起こした内膜細胞を用いてインベイジョンアッセイを行い、メタロプロテアーゼがこの病変発生に関わっているかどうかを調べた。その結果、内膜症子宮から得た間質細胞は対照正常細胞に比べて、マトリクスメタロプロテアーゼ活性が高いことが判明した。そこでアッセイ系にプロテアーゼインヒビターを添加すると、間質細胞の浸潤能が失われることも判明した。次いで、どのような種類のプロテアーゼ活性が上昇しているのかをmRNAの発現という面から検討したところMMP-2と9、およびMMP-14であることが分かった。さらに、小野薬品で新たに開発されたMMP-2と9の活性阻害剤を疾患モデルマウスに投与したところ、発症が阻止されることも判明した。なお、インベイジョンアッセイにより、子宮に存在するタイプI,II,IVおよびVコラーゲンが内膜組織の筋層への侵入を防いでおり、両酵素はタイプIVコラーゲンを溶かして病変を誘発することを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Zhou,Y-F: "Effect of mifepriston (RU486) treatment on the development of uterine adenomyosis induced by pituitary grafting"Life Science. 67. 2713-2720 (2000)

  • [文献書誌] Imaoka,T.: "Extrapituitary expression of the prolactin gene in the goldfish, African dawed frog and mouse"Zoological Science. 17. 791-796 (2000)

  • [文献書誌] Kanda,I.: "Expression of cytochrome P450 cholesterol side chain cleavage during embryogenesis in chicken adrenals and gonad"General Comparative Endocrinology. 118. 96-104 (2000)

  • [文献書誌] Matsuda,M.: "Increased invasion activity of endometrial stromal cells and elevated expression of MMP mRNA in the uterine tissues of mice"American Journal of Obstetrics and Gynecology. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] Shinohara,Y.: "Prenatal exposure to DES decreases the nurber of ERα containing neurono innervating the ovry in rat celiac ganglion"Neuroscience. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] Mori,T.: "Suppression of the development of uterine adenomyosis by a novel MMP inhibition, ONO-4817,in mice"Experiment al Biology and Medicine. (印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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