研究課題/領域番号 |
10305002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小間 篤 東京大学, 大学院・理学系研究所, 教授 (00010950)
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研究分担者 |
島田 敏宏 東京大学, 大学院・理学系研究所, 講師 (10262148)
上野 啓司 東京大学, 大学院・理学系研究所, 助手 (40223482)
斉木 幸一朗 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70143394)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | エピタキシー / イオン結晶 / 分子性物質 / 酸化物 / 複合へテロ構造 / 超薄膜 / 選択・成長 / 電子構造 |
研究概要 |
本研究は無機から有機まで、あるいは絶縁体から超伝導体までといった、従来ほとんど実現されていない多種多様な物質を組み合わせたへテロ構造の作成を可能とする手法を開発し、それが示す新しい物性の発現を探索することを目指してきた。主な結果は以下の通りである。 1.複合ヘテロ構造によるGaAs上の岩塩型酸化物のエピタキシャル成長 GaAs(001)上に2つのアルカリハライドバッファ層をはさんだ複合ヘテロ構造を作成することにより、MgOの単結晶薄膜が得られた。直接MgOをGaAs上に形成するのに比べて基板温度を150℃まで下げることができた。この構造は600℃まで安定である。複合へテロ構造の概念を応用すればGaAs上に酸化物と半導体の集積素子を構築することが可能になると期待される。 2.液晶単分子膜のエピタキシャル成長と相転移 2次元の相転移に関連した新現象を追究するため無機単結晶基板上に液晶単分子膜した。液晶12CBがアルカリハライド(001)面の上にエピタキシャル成長することが明らかになり、成長温度を変えて結晶構造とモルフォロジを反射高速電子線回折と原子間力顕微鏡で調べた結果、バルクの相転移温度付近で単分子膜の輪郭の秩序性が大きく変化することを見出した。 3.分子性量子構造の実現のための選択成長 分子性物質めナノ構造を大規模に作成する手法としてパタン化したへテロ基板を用いる選択成長を追究した。高い選択性を実現する条件として(1)分子性物質と基板表面の格子整合(2)ファンデアワールス相互作用の違いという2つの要素を確立した。量子構造の物性を測定中である。 4.超薄膜・ヘテロ構造の物性測定 作成したへテロ構造の物性を電子分光・帯磁率測走・電気伝導度測定等、多様な手法により調べた。一例として、MnPcの超薄膜において磁気的性質がバルクのものと異なっていることが明らかになり、ヘテロ構造に起因する結晶構造の違いで説明された。
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