研究概要 |
本研究では,ヘテロ・エピタキシー成長などの幾つかの原子種が絡む固体表面界面形成初期の表面界面構造解析手法として優れた威力を発揮すると思われる高分解能X線光電子回折法の実験装置の開発とそれを用いた典型的なヘテロ・エピタキシー成長表面界面の構造解析を行い,その手法の確立を目指している。本年度は以下の4項目について行った。 1.高分解能X線光電子回折装置の組み立て調整 高効率角度分解光電子アナライザー(英国VGマイクロテック社製CLAM2/4V型分解光電子アナライザー);背面LEED(独国VSI/SPEC社製ERLEED-4型背面LEEDパッケージ);球型ミュー(μ)メタル製真空チャンバー(英国VG社 ZCS1200M);試料マニピュレーター;超高真空排気システム,より成る装置の組み立て調整を行った。 2.高分解能X線光電子回折装置の真空排気動作テストを行った。 3.試料角度自動送りコンピューター・システムを構築し、これと連動した高効率角度分解光電子アナライザー走査コンピューター・ソフトを作成した。 4.高エネルギー加速器研究機構,物質構造研究所放射光実験施設での共同利用実験研究として,高分解能X線光電子回折装置を搬入し,Si(001)表面上のSb吸着状態について,Si2P内殻高分解能光電子回折パターンを測定した。現在その解析を行っている。
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