研究分担者 |
望月 正人 日立製作所, 機械研究所第3部, 研究員
堤 三佳 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (70293925)
今谷 勝次 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (70191898)
星出 敏彦 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80135623)
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研究概要 |
液相と固相の境界が移動する溶融・凝固の問題を巨視的および微視的な力学的立場から,明らかにするために,以下の検討を行った. 1. 変態界面の移動についての定式化 界面移動を伴う溶融・凝固における温度場をあきらかにするために,まず,これを2相Stefan問題としてとらえ,2次元および3次元問題の解析を行うための有限要素解析を目的として,ペナルティー法による定式化を行った.具体的には,これを2次元の溶接過程に応用するために,規定された点熱源による解析を行い,凝固界面の移動と,固相および静止状態の液相における温度分布のシミュレーションを行い,これが実際の変化と対応することを明らかにした. 2. 溶接部材の組織と強度の走査型電子顕微鏡による観察 TIG溶接した薄アルミ合金板における,溶着金属,熱影響部および母材の組織を走査型電子顕微鏡によって観察し,これらの境界と組織の関係を微視的立場から明らかにした.その結果,溶融部分における硬さが低下すること,熱影響部において細粒部が形成されること,さらにマイクログリッドによって変形が集中する様子がが観察された. 3. 分子動力学法による溶融・凝固の変態・熱・力学的シミュレーション 溶融・凝固界面の微視的状況を把握するため,レーザー照射を受ける薄膜についての分子動力学法による解析を行った.すなわち,はじめ固相にある領域から,加熱によって液相が成長する.加熱停止後は周囲からの冷却によって凝固が起こるが,冷却速度によって,徐冷された場合は周囲の結晶が成長していくのに対し,急冷した場合には結晶成長は起こらず,非晶質構造が得られることを明らかにした.
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