研究分担者 |
馬 書根 茨城大学, 工学部, 助教授 (20250988)
中野 博民 茨城大学, 工学部, 講師 (90257329)
山本 佳男 東海大学, 工学部, 助教授 (20272114)
稲村 正寿 日立製作所, 日立研究所, 主任研究員
清水 淳 茨城大学, 工学部, 助手 (40292479)
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研究概要 |
本研究は,SEM内において10-8〜10-4mの物体を対象に観察と作業を一元的に行うことができる微細作業用マイクロ・マニピュレーションシステムを開発している.これは,小型で市販のSEMチャンバーに内蔵できること,技能未熟者にとっても操作性が高いこと,作業目的によって容易にカスタマイズできること,軟らかい生物(含有機物)から硬い無機物までを熟練を要せず扱えることを目指している.特に対象物の大きさやSEM倍率などの作業環境の変化等を意識せずに,直感で作業が行える要素技術の開発を主目的としている.平成12年度には,SEM内で観察・作業するためにマイクロファブリケーションデバイスを完成した.そのデバイスの機能,能力を検証のために実験を行い,次のような結果を得た. 1)SEM内蔵可能な双腕型動作機構部,制御部,マン・マシンインターフェースからなるマイクロ・マニピュレーションシステムを開発した. 2)ツール先端の作用力を検知し,インターフェースにフィードバックすることにより,微小物をその場観察しながら,固定,切断,把持,移動という一連の作業を通常の作業と同じ様に容易に行うことができた. 3)開発したシステムは,高い操作性を有すると同時に,有機物から無機物まで,生体から金属まで扱える柔軟性を持ち,広範囲への応用が期待できる. 4)不定形試料に対するマニュアル操作に加え,開発した画像処理によるパターン認識アルゴリズムを使って定型の加工を正確かつ自動的に行うことができた. 以上の業績を新聞報道にも取り上げられ,論文3編,特許3件にまとめた.それをシーズに,科学技術庁科学技術事業団の助成を得て,現在は商品化を取り込んでいるところである.
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