研究概要 |
ターボ機械の内部流れ場に生じる種々の三次元剥離形態を実験おとび数値シミュレーションにより調べ,クリティカルポイント理論に基づいて剥離限界流線および限界渦線のトポロジー的分類を行い,各種三次元剥離の構造を詳細に解析した.その結果,以下のような知見が得られた. 軸流圧縮機動翼列の翼端漏れ流れ場に形成される三次元剥離は複数の特異点(NodeおよびSaddle)を有する極めて複雑な形態を呈する.その形態は動翼列とケーシングとの相対運動に強く依存し,翼端漏れ渦の強さおよび位置と深く関係する.動翼列とケーシングの相対運動が存在しない場合,翼端漏れ流れ場の剥離形態は全く異なっており,特異点の存在しない開いた形態を呈する.このことは,直線翼列を用いて翼端漏れ流れ場を調べることが本質的に不可能であることを示唆する. 軸流圧縮機動翼列のパートスパン形旋回失速セルにおける三次元剥離形態は極めて複雑な非定常現象であり,ケーシングおよび翼負圧面に足を有する三次元剥離渦で支配されていることが明らかとなった.この剥離渦は周方向に伝播するとともに引き延ばされ,隣接した翼へ移動する.剥離渦の進行方向後部に大きな逆流域が形成され,その影響は動翼列のかなり上流にまで及ぶ.
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