研究概要 |
1. 実験装置の製作 流動層中における微細粒子のミクロスケール伝熱達特性におよぼす諸因子の影響を,実験により検討するための実験装置を製作した.流動層は透明アクリル板にて製作し,層内には加熱円管(ステンレス箔による通電加熱制御)を三段千鳥配列で計11本水平に設した.微細粒子供給装置は,微細粒子の安定供給と流量の把握のため,スクリュータイプとした. 2. 微細粒子の熱伝達過程の数値シミュレーション 流動空気および個体粒子より形成される流動層内に吹き込まれた微細粒子が,流動空気・流動粒子・加熱面との接触において熱交換を行う過程に関して,剛体球モデルの弾性衝突モデルを用いた解析モデルを構築し,数値シミュレーションを行なった. 3. 研究成果および特筆すべき点 (1)微細粒子を混合しない流動層では,流動速度の増加に伴って熱伝達率が増加し,極大値を示した後,次第に低下する傾向を示す.一方,微細粒子を混入すると,流動化開始速度において最大の熱伝達率を示し,流速の増加に伴って低下する傾向を示した.(2)微細粒子の供給量(単位時間あたりの質量)が多いほど,流動化開始速度における熱伝達率が大きくなる.(3)微細粒子の供給量と平均熱伝達率の関係は,微細粒子径にも影響を受けることがわかった.これは,微細粒子が流動層内に浸透するかあるいは,流動粒子層と分離して第二の流動層を形成するかという現象に密接に関連している.
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