研究分担者 |
千田 二郎 同志社大学, 工学部, 教授 (30226691)
藤本 元 同志社大学, 工学部, 教授 (90051630)
池田 祐二 神戸大学, 機器分析センター, 助教授 (10212789)
中島 健 神戸大学, 工学部, 教授 (30031090)
赤松 史光 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10231812)
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研究概要 |
噴霧火炎中の油滴群燃焼挙動の詳細な観測のために,高速度CCDカメラシステム,位相ドップラ計測(PDA)システムと火炎発光計測システムが統合された同時時系列計測システムを構築し,噴霧火炎に適用した.噴霧火炎構造の詳細観察のための高速・高倍率画像撮影システムの開発を行った.上記システムによって得られる噴霧断面画像,火炎発光信号,油滴粒径・速度の同時時系列データの統計的解析手法の確立とワークステーションを用いた画像処理技術の開発を行った. 実用燃焼器用ガンタイプバーナを対象に,油滴群燃焼形態を把握するため,最適化したPDAシステムとカセグレン光学系を用いた局所自発光計測システムにより油滴速度,粒径,自発光信号の同時計測を行った.噴霧火炎は強い輝炎発光を伴うため,カセグレン光学系により計測した火炎ラジカル自発光信号でのノイズ除去を含む解析方法を検討した.次に,OH,CH,C2自発光強度より算出される局所当量比と噴霧油滴の質量流束との関係を明らかにした.さらに,火炎ラジカル自発光信号のスペクトル解析を行い,油滴クラスタの燃焼状態を把握した.同じ噴霧火炎場にPIVシステムを適用し,瞬時の面情報による循環流の振動と噴霧挙動との関係を調べた.また、非燃焼噴霧場において,PIV計測結果とPDA計測結果との比較を行い,PIVシステムを噴霧場へ適用する際の問題点,解析方法の検討を行った.その結果(1)PIVで得られた循環流の大きさ,強さはPDA計測結果と一致すること、(2)PIV計測により得られる速度分布は20〜30mmの油滴挙動を表していることが分かった.また、来年度以降に行う予定である半導体レーザ分光計測システム開発のために,構成機器の最適仕様の検討を行い準備を進めた. 高温・高圧容器内の噴霧の内部構造および噴霧流動についてNd:YAGレーザによるExciplex蛍光法を用い研究を行なった.研究は噴霧内の液相部分に着目して,蒸気相の濃度分布と液相の関係ならびに液相の流動が噴霧て構造に与える影響について調べた.そして,液相部の撮影には高解像度高速デジタル画像取り込みシステムを用いることにより従来の研究よりも高解像度の画像が得られ,噴霧内部の詳細な液相の分布を得た.さらに液相部についてはAr+レーザを用いて液滴散乱光撮影による噴霧の連続撮影を行ない,画像相関法を適用して噴霧内部の液相の流動について調べた.これにより噴霧内部の渦構造についての情報を得た.また,高圧噴射ディーゼル噴霧の自由噴霧を対象として燃料蒸気濃度分布および液相分布についての研究を行なった.Exciplex蛍光法により,燃料噴霧の蒸気相と液相を同時に二次元分離可視化することが可能となる.また,蒸気相については蛍光強度には準定量的な濃度情報が含まれており種々の補正を行なうことにより燃料蒸気濃度を求めることが可能である.そして,撮影には高解像度高速デジタル画像取り込みシステムを用いた.測定条件としては実際のディーゼル機関の運転条件を模した,雰囲気温度700[K],雰囲気圧力2.55[MPa]で行なった.噴射圧力については22,42,72,112[MPa]で行なった.実験により得られた画像より噴霧の蒸気濃度分布および巨視的特性が得られた.
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