研究概要 |
電子線描画と高速原子線加工によるサブ波長格子の製作方法を提案し、製作と評価を行った。導電性のない光学ガラスの表面に150nm周期の表面格子を製作した。描画後のエッチングにおいては、導電性のない材料であっても微細なエッチングが可能な高速原子線エッチング技術をもちいた。従来のイオンエッチングにおいては、電荷の蓄積で、精密なエッチングが困難であったが、方向を揃えた高速の中性原子を用いて、高いアスペクト比の加工を実現した。これにより、光学ガラス部品の表面反射を大幅に抑えることができた。厳密解法の電磁界解祈プログラムを作成し、サブ波長格子を理論的に解所した。格子周期とアスペクト比が反射特性に大きく影響することを明らかにした。さらに陽極酸化ポーラスアルミナをマスクとして高速原子線加工を行い、周期100nmでアスペクト比6以上のサブ波長格子をシリコン基板に製作した。370nmから800nmの波長帯域において、優れた反射防止特性が得られた。また,ガリウム砒素発光ダイオード表面にサブ波長格子を製作した。ガリウム砒素のエッチング特性を利用し、テーパー形状でアスペクト比の高い格子を製作し,高放射率発光ダイオードを実現した。アクチュエータとの組み合わせにおいては,表面マイクロマシニング技術を導入し,静電型のマイクロアクチュエータを実現した.さらに,熱型アクチュエータも製作した動作を確認した.これらを組み合わせて可動構造のある超微細構造格子の製作を試みた.これらの結果により,本研究課題の主要部分を実現した.
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