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1999 年度 実績報告書

量子ドット閉じこめ励起分子を用いた発光素子の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 10305025
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 茂夫  京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30026231)

研究分担者 船戸 充  京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70240827)
川上 養一  京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30214604)
藤田 静雄  京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20135536)
キーワードワイドギャップ半導体 / 励起子 / 励起子分子 / 低次元構造 / 局在 / 時間分解分光 / 発光ダイナミクス
研究概要

本研究は,ZnSe系II-VI族、GaN系III-V族半導体低次元構造のにおけるミクロスコピックな構造とマクロスコピックな光物性との相関に関する詳細な評価を時間分解フォトルミネッセンス法により行い,励起子および励起子分子の輻射,非輻射再結合機構解明のための基礎光物性研究を遂行することを目的としている。
1.ピコ秒パルスレーザーと光学顕微鏡を組み合わせた時間・空間分解レーザー顕微分光法を開発し,ZnSe(110)基板上に自己成長させたCdSe量子ドットの発光ダイナミクスを詳細に測定した。その結果,発光スペクトルのみならず,発光寿命も励起場所によって著しく異なることがわかった。これは,閉じ込めの空間的な大きさが場所によって異なるために,それに対応して振動子強度の異なる光学遷移が観測されたものと理解できる。
2.量子井戸面内の電子と正孔の波動関数からなる励起子の振動子強度は、面に垂直に印可されるピエゾ電界や量子井戸面内の局在中心に捕まっている励起子の空間的な広がり(次元性)によって変化する。とくに輻射再結合寿命の温度依存性を解析することにより、励起子の局在性について議論することができる。すなわち、励起子の重心運動とフォトンの運動量保存則を考慮すると、輻射再結合寿命は、理想的な3次元(3D)状態(バルク)では温度の1.5乗に、2次元(2D)状態(量子井戸)では温度に、1次元(1D)(量子細線)状態では、温度の0.5乗に比例した依存性を示す。これに対して完全なゼロ次元(0D)状態(量子ドット)では、輻射再結合寿命は温度依存性を持たないことになる。平成11年度はこの手法を用いて種々のIn濃度のInGaN量子井戸発光素子における励起子の次元性を評価した。超高輝度(η_<ext>=20%)青色LEDの輻射再結合寿命は、約4〜5nsとほとんど温度依存性を持たず室温でもゼロ次元的な中心から発光していることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Narukawa,Y.Kawakami,Sg.Fujita 他: "Dimensionality of excitons in lesar-diode stuctures composed of In_xGa_<1-x> N MQW_s"Physical Review B. 59. 10283-10288 (1999)

  • [文献書誌] Y.Narukawa,Y.Kawakami,Sg.Fujita 他: "Recombination dynamics in In_xGa_<1-x> N MQW based LDs under high photoexcitation"Physica Statuds Solidi (a). 176. 39-43 (1999)

  • [文献書誌] K.Okamoto,H.C.Ko,Y.Kawakami 他: "Time-space resolved photoluminescence from (Zn, Cd) Se-based quantum structures"Journal of Crystal Growth. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Y.Kawakami,Y.Narukawa,Sg.Fujita 他: "Dimensionality of excitons in InGaN-based light emitting devices"Physica Statuds Solidi (b). (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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