研究課題/領域番号 |
10305029
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
蒲生 健次 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029445)
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研究分担者 |
若家 冨士男 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (60240454)
柳沢 淳一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (60239803)
弓場 愛彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (30144447)
岩渕 修一 奈良女子大学, 理学部, 教授 (40294277)
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キーワード | 単電子トランジスタ / クーロンブロッケード / 環境インピーダンス / 微小トンネル接合 / 電磁場環境効果 |
研究概要 |
本年度の研究成果をまとめると以下のようになる。 1.環境インピーダンス制御型単電子トランジスタにおいて、トンネル接合の電荷だけでなく、ゲート電極の電荷も量子力学的に扱って、3端子構造の単電子トランジスタの電荷状態や伝導特性を自己無童着に計算した。その結果、非対称な環境インピーダンスを用いると、トンネル接合が対称な場合にでも、アイランドに電荷の蓄積がおこり、クーロンダイヤモンドの位相が変化することが分かった。このことを利用すると、単電子デバイスで問題になっている、初期オフセットチャージをキャンセルできる可能性がある。また、アイランド電荷の揺らぎの大きさが、クーロンステアケースが次のステップに移り代わるところで、大きくなっていることが分かった。 2.昨年度にひき続いて、GaAs/AlGaAsヘテロ基板を電子ビーム露光を用いて微細加工し、可変環境インピーダンスをもつ単電子トランジスタを作製し、低温において伝導特性の評価を行った。また同時に、単電子トランジスタを構成している、量子ポイントコンタクトの伝導特性にも注目し、コンダクタンスが0.7(2e^2/h)になるところに見られる構造が低温で2つに分裂する現象を発見した。0.7のコンダクタンスは、多体効果の影響であると言われているが、その起源はいまだに不明であり、今回の実験結果が、その解明に貢献すると期待できる。
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