研究課題/領域番号 |
10305039
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 三郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90092808)
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研究分担者 |
山田 春美 京都大学, 工学研究科, 助手 (40089123)
清水 芳久 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20226260)
津野 洋 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026315)
松田 知成 京都大学, 工学研究科, 助手 (50273488)
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キーワード | フミン質 / 微量毒性物質 / 構造解析 / 質量分析計 / 細胞膜透過性 |
研究概要 |
微量汚染毒性物質の細胞膜透過性に及ぼすフミン質の影響の検討結果について 平成11年度までに開発した人工のリン脂質二重膜(細胞膜を模擬したもの)への透過・収着実験の方法を、アメリカ合衆国スワニー河から抽出された標準フミン酸および琵琶湖南湖から膜分離装置により抽出・精製したフミン質を含む実験系において測定し、微量汚染毒性物質(特に、多環式芳香族化合物(PAH))の細胞膜透過性に及ぼすフミン質の影響およびフミン質の分子構造、起源、存在条件等の違いによる相違を比較検討した。この結果、両方のフミン質共に、微量汚染毒性物質と水溶液中で結合することにより、微量汚染毒性物質のリン脂質二重膜への透過性を相対的に減少させることがわかり、また、これを定量的に把握することが可能となった。 フミン質の構造と特性(細胞膜透過性に与える影響)の検討結果について 主として琵琶湖南湖から膜分離装置により抽出・精製したフミン質を利用して、フミン質の分子構造の相違を、タンデム型質量分析計(MS2)、核磁気共鳴分析計(NMR)、赤外吸光分光光度計(IR)等を利用して分析した。これらの結果、分子量の高い(10,000Da以上)のフミン質は分子量の低い(10,000Da以下)フミン質に比較して脂肪成分が多いことがわかった。また、微量汚染毒性物質(PAH)の細胞膜透過性に及ぼす影響についても、分子量の高いフミン質の方が透過性を減少させる傾向が強いことがわかった。
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