研究課題/領域番号 |
10305047
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
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研究分担者 |
高木 裕三 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30124697)
大柿 真毅 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (50223748)
中村 聡 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (40227898)
大倉 利典 工学院大学, 工学部, 講師 (70255610)
濱上 寿一 東京都立大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30285100)
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キーワード | ヒドロキシアパタイト / 分極 / 結晶成長 / 細胞活性 / 骨誘導 / 生体活性 |
研究概要 |
本研究では、アパタイトの電磁気学的な性質を明確にし、特異な表面特性をもつセラミックスを創出するのと同時に、アパタイトの電磁気学的な特異性が、生体の骨や歯牙などの硬組織の形成に対して与えている影響を明らかにし、医用材料設計の新たな指針を得ることを目的として研究を行った。本年度においては、分極特性の材料学的な検討、培養細胞系における検討、動物実験による検討を中心に行い、分極により電荷を表面に誘起したアパタイトセラミックスの骨誘導について検討した。本年度の成果としては以下の項目をあげることができる。 アパタイトの電磁気学的な検討 熱刺激電流測定の結果から水酸アパタイトは分極が可能でありその大きさはチタン酸バリウムに匹敵していた。また、この分極はプロトンの移動によることを明らかにした。分極の緩和は室温では非常に遅く、エレクトレットを形成していたことがわかった。 分極アパタイトが培養細胞系に及ぼす影響の検討 分極により電荷が表面に誘起したアパタイト上では、骨芽様細胞の増殖が負電荷面では促進、正電荷面では抑制され、細胞に対する活性がコントロールできる明らかにした。 分極アパタイトが動物実験系に及ぼす影響の検討 分極により電荷が表面に誘起したアパタイト上では、骨芽様細胞の増殖が負電荷面では促進されセラミックス上に新生骨が通常の4倍以上加速されて生成した。また、正電荷面では抑制されるのではなく、線維性組織を介した部位の骨新生が加速されていた。
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