研究概要 |
(α+γ)および(α+θ)層状二相組織の強冷延+焼鈍による二相組織の回復・再結晶挙動を調べ,サブミクロン粒径を持つ超微細二相組織が得られる.(α+γ)二相では,α相はサブグレイン組織を呈するが,(α+θ)二相の場合にはα粒界として大角粒界と小角粒界が混在した微細二相組織が形成される. γ中VC析出およびα中ε-Cu析出ともに,整合析出物を含む母相の強冷延+再結晶により析出物界面が非整合化して急速に粗大化する. fcc/bcc異相界面において実験的に観察されるファセット面は,特定の結晶方位関係の有無に関わらず,幾何学的理論における整合原子密度の高い面と一致している場合が多い. 高炭素鋼のパーライト組織を(γ+θ)二相域でのγ逆変態処理後焼入れ焼もどしにより大部分のα粒界が大角粒界である(α+θ)微細二相組織を形成させた.この組織は良好な超塑性特性を示し,室温での強度-延性バランスも高い. オーステナイト中(非整合MnS+VC)複合析出物上でのフェライトおよびパーライト核生成においては変態生成物の結晶方位関係のランダム化が起こる.
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