研究課題/領域番号 |
10305051
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 正紀 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70229970)
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研究分担者 |
守山 実希 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70303857)
松原 英一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90173864)
小出 康夫 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70195650)
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キーワード | GaAs / オーミック・コンタクト / 低障壁中間層 / InGaAs / 拡散バリア材 / コンタクト抵抗 |
研究概要 |
今日実用化されているGaAs系高周波電子デバイスの代表的な一例であるGaAs接合型電界効果トランジスタ(JFET)の高性能化・低コスト化のためには、デバイスに用いられるオーミック・コンタクト材の特性向上および作製プロセスの飛躍的な簡素化が重要である。本研究ではn型およびp型GaAsに対するJFET用オーミックコンタクトおよび配線材として機能を有する新機能性コンタクト材の開発並びにその材料設計原理の構築を最終日標として研究を行った。 本年度は、前年度開発されたコンタクト材InGaAs/Ni/W_2N/WおよびNi/In/Geの更なる改善を図った。またコンタクト材が配線材として機能するためには膜抵抗値の低下が必要であるが、先に示したコンタクト上に低抵抗金属膜であるAu、AlおよびCuを成膜させることにより膜抵抗値の低下を図った。この結果から、InGaAs/Ni/W_2N/Auコンタクトがn型およびp型GaAsに対して低い接触抵抗値(0.2Ω-mm)を示した。これらのコンタクト材は同時に低膜抵抗値(<1Ω/□)を示した。これらの結果はこのコンタクトがn型およびp型GaAsに対するGaAs系集積回路素子用のオーミック・コンタクト材および配線材として機能することを示している。また、高融点金属窒化物であるW_2Nが現在用いられているAu配線材および次世代配線材として有望視されるAlおよびCu配線材に対して400℃までの熱処理に対してコンタクト特性を保証する優れた拡散バリア性を示した。Ni/In/Ge/Nb/Auコンタクトについても実用化の条件を満たす低接触抵抗値をすものの、400℃熱処理に対してコンタクト特性の劣化が見られた。来年度以降、これらのコンタクト材のオーム性発現機構を反応バリア性とともに、明らかにすることによって、化合物半導体へのオーミック・コンタクト材を開発する設計原理を構築することを目指す。
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