加圧流動層反応装置を製作した。また、反応ガス及びその排ガスの分析に、CO、CO2赤外ガス分析計、熱伝導H2分析計からなるシステムを購入した。これらの装置を使って、実験室規模10kgf以下の加圧流動層実験と排ガスの連続的組成分析が可能になった。現在使用している鉄鉱石は、San Ishidroヘマタイト、粒度範囲は0.15〜0.21mmである。はじめに、装置の特性を調べるため、実験温度は873K、圧力は1atmとして、還元をH2-H2S混合ガス、炭化をCO-H2-H2S混合ガスで実験した。これまでの1atmでの実験結果とよく一致した結果が得られている。現在、圧力を3atmに上げて実験中である。反応モデルについては、大気圧下で決定されている還元鉄の炭化速度式と速度定数を使って、大気圧下流動層の炭化速度をシミュレーションできる反応モデルを、気泡成長モデル、より単純なプラグフロー流れ均一反応モデルを中心にして検討している。反応モデルは流動層の規模によって大きく影響されると考えられるので、スケールアップに備えてその点をどのようにモデルに取り込むのがベストかを、過去の溶融還元プロジェクトにおける流動層反応装置による鉄鉱石の予備還元の結果をも参考に検討中である。現在校費等で製作中の加圧熱天秤を使って、本基盤研究の目的とする加圧下炭化速度式の決定も進めていく予定である。さらに、加圧下での速度式を応用した流動層反応モデルの作成へと順次進めていく予定である。
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