研究概要 |
本年度は本研究費の最終年度である.これまで研究してきた下記項目につき以下のようにまとめた.ただし、すべての項目についてまとめきれたわけではなく,引き続き研究が続行されているものが多い. (1)LDVによる槽内流体の正確な3次元速度分布の測定 光の屈折を最小限に押さえることが可能なシリコンオイルを選定し,層流から遷移域に及ぶ詳細な流速分布の測定データを得た.このデータは十分シミュレーション結果の検証できる精度を持っている.これらのデータを用い,仮想粒子を槽内にばら撒き,それの混合状況をシミュレーションし,アニメーションにて可視化することに成功した. (2)槽内の乱流流動場に適応する乱流モデルの検討と,反応を考慮したシミュレーション手法の開発 乱流流動場に適用可能なモデルについては引き続き検討が必要である.ただし、反応を考慮したシミュレーションは例えば重合反応の場合、反応場をいくつもの段階に分けることにより,かなりの精度で現象を予測できる手法を開発した. (3)スケールアップ理論を構築するための小型槽と大型槽を用いての反応実験に基づくデータ解析 この問題は非常に困難を極め,また、大量のデータを必要とするため,現在も引き続き、研究続行中である. (4)撹拌反応槽の標準設計法の確立のための撹拌所要動力の測定 単段翼に関しては、標準としたパドル翼だけでなく,ピッチドパドル翼にも拡張,さらにガス吹き込み撹拌にも対応可能な撹拌所要動力相関式を得た. さらに、これまでに発表された主要な論文をすべて網羅したデータベースをCD-ROM化することも完了した.
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