研究分担者 |
野瀬 卓平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016405)
石曽根 隆 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60212883)
手塚 育志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80155457)
猪股 克弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80232578)
佐藤 満 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10143679)
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研究概要 |
N,N-ジエチルアクリルアミド(DEAA)の立体規則性リビングアニオン重合により、イソタクチック、シンジオタクチック、ヘテロタクチックのそれぞれの立体規則性に富み、設計通りの分子量と狭い分子量分布を持つポリマーを合成した。また、メタクリル酸2-(2'-ヒドロキシエトキシ)エチルの水酸基をトリアルキルシリル基で保護した新規モノマー類を合成し、そのリビングアニオン重合と脱保護反応により、分子量、分子量分布の制御された水溶性高分子を合成することに成功した。さらに、環状オニウム塩を末端基とするテレケリックポリマーの組み合わせにより種々の興味あるアーキテクチャーをもつ一連の高分子を新規に開発した反応プロセス(Electrostatic Self-AssemblyとCovalent Fixation)により合成した。同様の方法により星形ポリマー、高分子網目、ポリマクロモノマー、そしてポリテトラヒドロフランとポリエチレンオキシドセグメントを含む環状ポリマーを合成した。 一方、DEAAとポリ(N,N-ジメチルアクリルアミド)-graft-ポリメチルメタクリレート、それぞれの水溶液中でのそれらの会合挙動を光散乱で詳しく調べた。その結果、このグラフトポリマーでは高分子濃度、溶液調製履歴により、単分子的会合から多分子的会合、さらにゲル網目構造の制御が可能であることなどを明らかにした。また、水系における高分子の会合挙動を,含水ゲルの膨潤に及ぼすイオン効果を通じて調べ,そこにおける水和の役割を明らかにした。さらに、水/有機溶媒混合系における高分子電解質の会合挙動を,正又は負に荷電した高分子ゲルの体積相転移の研究を通じて調べ,その対イオン種および溶媒種特異的相転移挙動を,コンタクトイオンペア形成の支配因子として局所誘電率とイオンに対する溶媒和エネルギーを考慮することにより説明した。
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