研究課題/領域番号 |
10305070
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
根本 紀夫 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (90027053)
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研究分担者 |
高田 晃彦 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (20254427)
塩川 浩三 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (70089928)
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キーワード | 物理ゲル / 架橋領域 / 赤外吸収二色性 / 正弦ひずみ / ゲル用光弾性変調器 / 同時・異時相関数 / ポリエチレンゲル |
研究概要 |
本研究は、物理ゲルを対象として架橋構造の微細構造とその領域における分子運動性がゲルの巨視的な連結性や物性にどのように発現するのか、さらに、均質なゾルから不均質なゲルへのゾル-ゲル転移が高分子のガラス転移現象と同一の物理現象とみなせるのかの2点を明らかにすることを目的としている。本年の研究では、まず、局所分子運動の好感度検出が可能な高分子ゲル用の全反射動的赤外吸収二次元スペクトロメータの設計・作成を行った。室温から100℃までの温度調節が可能であり1Hzから1kHzの微小正弦ひずみをずりおよび圧縮の2つの変形様式で印可できるゲル用光弾性変調器を作成し高速時分割ステップスキャンシステムに装備して、動的赤外二色差の同時相関関数および異時相関関数を200マイクロ秒から100秒のサンプリング時間範囲で測光し、各官能基の特性緩和時間を1ミリ秒から10秒の範囲で測定できるようにした。また、ポリエチレンのキシレン溶液からゲルを調製し、10%の伸張ひずみを加えて赤外吸収測定を行ったところ、2920・2880cm^<-1>のメチレン基の逆対称・対称伸縮の吸収の形状および赤外吸収二色差からポリエチレン鎖の伸張に加え、730・720cm^<-1>のポリエチレンの結晶性はさみ振動にも赤外吸収二色差が認められたことから架橋領域として働くポリエチレン微結晶の配向も確認できた。現在、これらの吸収帯を利用して、架橋領域および架橋領域を結ぶ鎖の配向性や配向緩和現象について検討中である。
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