研究課題/領域番号 |
10305071
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中橋 和博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00207854)
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研究分担者 |
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
小濱 泰昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (60006202)
澤田 恵介 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80226068)
大林 茂 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80183028)
福永 久雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50134664)
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キーワード | 超音速旅客機 / 空気力学 / 最適設計 / 数値流体力学 / 乱流遷移 / 空力弾性 |
研究概要 |
次世代超音速旅客機のための空力的問題を解決することを目指し、以下の研究成果を得た。 1, 超音速機全機体周りの流れの数値解法として、非構造格子CFDコードを開発、計算時間短縮のための空間前進解法、およびNAL超音速実験機のブースター分離模擬を可能にする非構造重合格子法を提案した。 2. 航空機複合材翼構造における、超音速パネルフラッタに対する積層構成の最適化、損傷許容設計のための衝撃応答解析および衝撃荷重同定、知的航空機翼におけるアクチュエータによる構造変形制御等の研究を行った。 3. 次世代超音速旅客機は超音速巡航と設計点ではない遷音速での飛行経済性を両立させる必要がある。超音速と遷音速の二つの巡航速度での多点空力最適設計法として、多目的遺伝的アルゴリズムによる手法を構築した。 4. デルタ翼の翼端渦や剥離領域の数値解像度を高めるために、セル境界面に対して斜め方向に伝播する平面波群を用いた風上法の構築を行い、翼周りの粘性流解析に適用してその特徴を示した。 5. 超音速域における抵抗低減技術の確立のため、乱流遷移点計測法の精度を向上させる目的で超音速風洞実験および航空宇宙技術研究所の実験機を使用した遷移点計測のフライトテストを行った。 6. 後退翼を模擬した傾斜円柱表面の境界層中に点源撹乱を導入し、横流れ不安定波以外に流線曲率不安定波が生じる過程を数値シミュレーションにより研究した。 7. 衝撃波反射の基礎的ふるまいについて、数値解析ではスーパーコンピューテーションに適した解法を提唱した。また、くさびをすぎる衝撃波のマッハ反射の遅れ遷移現象を実験的に実証している。 8. 超音速機の作り出す騒音の発生原因の一つである「衝撃波と渦の干渉現象」を取り上げ、流体高精度数値計算法により、騒音発生のメカニズムと発生する音の性質を明らかにした。 9. 新たに開発した高解像差分スキームを用いて、航空機エンジン内の非定常三次元遷音速翼列流れを計算し、実験により報告されている翼後縁からの非定常渦を捕獲することに成功した。
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