研究分担者 |
藤久保 昌彦 広島大学, 工学部, 教授 (30156848)
金 裕哲 接合科学研究所, 助教授 (20144529)
林 茂弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60263216)
柳原 大輔 広島大学, 工学部, 助手 (10294539)
北村 充 広島大学, 工学部, 助教授 (40195293)
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研究概要 |
昨年度崩壊試験を実施した試験体の部分構造モデルを製作し,応力解析法を適用して溶接残留応力の計測を実施した。その結果,実船の1/10縮小試験体であるために板厚に比して溶接入熱量が大きく,甲板部で材料の降伏応力の約1/2の圧縮残留応力が発生していることが確認された。この計測結果に基づいて再現した溶接残留応力場を仮定して,本研究で開発整備した計算コードHULLSTを適用して縦曲げ逐次崩壊解析を実施し,船側外板上部のカーリング取り付け部に発生した大きな圧縮残留応力の影響で,カーリングがある場合の方が最終強度が低くなった実験結果が説明できた。 HULLSTの改良として本年度は,船底ビルジ部の崩壊挙動を再現する新しい要素を開発した。また,現在のVERSIONでは取り扱えない特殊な形状の要素に対応するため,有限要素法解析の結果を組み込むROUTINEを整備した。 一方,昨年度開発したパネル要素を梁・柱要素と組み合わせ,連続防撓パネルの圧壊挙動を精度よく再現することができる新しい理想化構造要素法解析のアルゴリズムを開発し,これを適用した計算結果が,有限要素法解析の結果とよい相関を有することを示した。 さらに,当初の研究計画には入れていなかったが,国際船体構造会議の代表者が委員長を務める技術委員会とも連携して,船体構造設計に際して縦曲げ最終強度評価を実施するための設計のガイドラインを提案した。 また、ダブルハルタンカー、シングルハルタンカー、コンテナ船およびバルクキャリアを対象として、縦曲げ最終強度に対するパネル板厚、防撓板板厚、溶接残留応力、降伏応力、初期撓みの感度を求め、各種因子が縦曲げ最終強度に及ぼす影響を明らかにした。この感度を用いて信頼性指標を計算し、縦曲げ最終強度に関する信頼性評価を実施した。
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