研究課題/領域番号 |
10305075
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中島 巌 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (50001243)
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研究分担者 |
広吉 直樹 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (50250486)
米田 哲朗 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00002056)
平島 剛 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00175556)
金子 勝比古 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (20128268)
恒川 昌美 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (40002026)
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キーワード | 岩盤 / 岩石 / 亀裂 / 応力腐食 / 風化 / 微視構造 / 透水性 |
研究概要 |
岩盤における亀裂の低速伸長現象を解明することを目的として、岩石の低速亀裂伸長挙動における微視的構造の影響に関する実験的検討、風化による鉱物組成変化の定量的解析法、微視亀裂分布のモデル化と透水異方性の評価法、などの一連の基礎研究を実施した。現在までに得られた知見は以下のようである。 (1) 岩石の低速亀裂伸長挙動に関する実験的検討:岩石のダブルトーション試験(荷重一定条件)を実施し、亀裂伸長速度と応力拡大係数の関係を調べた。また、試験片の顕微鏡画像を画像解析し、亀裂進展方向と鉱物との幾何学的関係により亀裂の伸長形態が異なることを明らかにした。この結果は、巨視的亀裂伸長現象はその先端領域の微視構造と密接に関係することを示している。 (2) 風化による鉱物組成変化と微視亀裂分布の分析:風化火砕岩試料について光学顕微鏡,X線回折装置およびEPMA分析装置により,鉱物組成分析と顕微鏡画像処理を行った.そして,構成鉱物と微視的亀裂の分布状態の可視化を成功させるとともに,試料中に風化産物として含まれるスメクタイトや亀裂密度の定量的解析法を開発した. (3) 岩石の微視亀裂分布のモデル化:クラックの3次元方位分布のルジャンドル展開表現を与え、これと2次元方位分布との関係を理論的に解析し、岩石表面の微視亀裂観察結果から、内部の微視亀裂の3次元方位分布を解析する方法を開発した。さらに、花崗岩試料を用いて、微視亀裂分布の数値モデル化を行った。 (4) 岩石の透水異方性の評価法:トランジェントパルス法により花崗岩の透水異方性とその圧力依存性を実験的に明らかにした。さらに、実験結果は(3)のモデルから予測された透水異方性とほぼ一致することを確かめた。
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