研究課題/領域番号 |
10305076
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊澤 英二 九州大学, 工学研究科, 教授 (50037751)
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研究分担者 |
田口 幸洋 福岡大学, 理学部, 教授 (00108771)
本村 慶信 九州大学, 理学研究科, 助手 (20037237)
曽 南石 九州大学, 工学研究科, 助手 (20294887)
渡辺 公一郎 九州大学, 工学研究科, 助教授 (10182916)
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キーワード | マグマ性熱水系 / XRF / 菱刈 / 金鉱床 |
研究概要 |
1. マグマ性熱水系の現在・過去の具体例として九州の地熱地域と金鉱床地域を対象として、地表およびボーリングコア試料の調査と試料採取を行った。一部これまで現地調査を行っている米国の試料を検討した。 2. 主要設備備品として設置した全自動蛍光X線分析装置の調整、標準資料の作成を行った。また、Fundamental parameter法による共存元素補正法を準備した。 3. マグマ系列を明らかにするため、南九州の火山岩の30試料余りについて、蛍光X線分析法によって岩石試料の主成分・微量成分分析を行い、組成を比較した。金の鉱化作用に密接な時代と位置関係にある例として、菱刈、大口、入来、串木野の岩石を取り上げた。その結果、金鉱床に時空的に密接な火山岩は磁鉄鉱系で、安山岩類では明瞭な差は見られないが、鉱床地域にはデイサイト、流紋岩が伴われることが多く、しかも、KやRbに富むものであった。年代データが明らかな火山岩試料について、このような検討を系統的に行う必要があると考える。 4. 熱水系を構成する割れ目については、微小地震の観測結果と地表調査により、浅部と深部で割れ目の広がりと性質に差があることを見出した。特に、水に富む割れ目について注目すべきである。 5. 菱刈地域の地表と試錐コア試料を用いて、変質鉱物の組合せから熱水系の広域的な温度構造と規模を求めるた。また、鉱脈構成鉱物の調査を行った。 6. 沸騰帯の位置を明らかにするため、流体包有物の観察を行った。また、包有物中のガス組成の変化を調べるため、顕微ラマン分光法でガス分析を行う計画であったが、本年度は装置の整備で終わった。
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