研究概要 |
家蚕核多角体病ウィルス(BmNPV)の温度感受性変異株を作出し,その変異がヘリカーゼに欠損ある変異株およびRNAポリメラーゼに欠損ある変異株として同定した。この変異株の組合せによるベクターとしての利用法を示すとともに,コナガ顆粒液ウィルス(PxGV)の全塩基配列を決定し,関連ウィルスのベクター利用に重要な情報を提供した。 またBmNPVのieイプロモータの解析により,効率良い外来遺伝子の発現系として確立すると同時に,ieイプロモーターの塩基配列にbroad-complex24およびBmFTZ-F1の認識配列の存在を発見し,プロモーター活性の調節法を解析した。またPfDNVの非構成タンパク質の制御機構の解析から,複数遺伝子の発現系について新たな情報を提供した。 さらにNon-LTR型のレトロトランスポゾンのモデル系としてrDNAに特異的に存在するR2Bmを使い,ゲノム挿入機構を検討した。その結果この因子はTPRTと宿主の修復機構による相同組換えによりゲノムへの挿入が起ることを証明し,バキュロウィルスの組み合せにより効率良いに導入系の構築がお能と示った。
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