研究課題/領域番号 |
10306007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 英彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70027192)
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研究分担者 |
玉置 尚徳 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (20212045)
鈴木 秀之 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10202136)
山本 憲二 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70109049)
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キーワード | γ-グルタミルトランスペプチダーゼ / チロシンフェノールリアーゼ / チラミン酸化酵素 / グルコース受容体 |
研究概要 |
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT):Aspergillus oryzaeよりGGTを初めて単離し、その酵素化学的諸性質を明らかにした。チロシンフェノールリアーゼ(TPL):3,4-Dihydroxyphenylalanine(L-DOPA)合成酵素であるTPLはチロシンによる誘導酵素である。その誘導発現を調節するレギュレータータンパク質TyrRの遺伝子にランダム変異を導入した。その結果、ある変異型遺伝子を保持する株では、チロシン非存在下においてもTPLを発現するようになり、それは野生株をチロシン存在下で誘導培養した場合と同等以上の発現量であった。L-DOPA実用生産において極めて有用な株を取得することに成功した。 アミン酸化酵素:FADを補酵素として持つ、チラミン酸化酵素をMicrococcus luteusから単離し、その酵素的諸性質を明らかにした。また、N末アミノ酸配列に基づくプローブを用いて、同菌のゲノムDNAより、同酵素遺伝子をクローニングし、その塩基配列を決定した。そのアミノ酸配列に基づいて、チラミン酸化酵素の3次元立体構造を予測した。 グルコース受容体(GPR1):出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、細胞内cAMPレベルが上昇するとcAMP依存的キナーゼの活性化が起こり細胞がG1期に停止できなくなるため熱に対して感受性となることが知られている。そこで、cAMP経路に関与する因子の遺伝子破壊株の構築を行い、熱に対する感受性を調べた。その結果、GPR1遺伝子破壊株では、野生株と比べて熱に対して耐性となり、逆に多コピープラスミドにて遺伝子を導入した場合には熱感受性となった。さまざまな遺伝学的、生化学的解析の結果Gpr1からのシグナルは、3量体Gタンパク質であるGpa2を介してアデニル酸シクラーゼの活性化を促していることが明らかになった。
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