研究課題/領域番号 |
10306016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相良 泰行 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30012024)
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研究分担者 |
永井 元 サントリー, 商品開発研究所, 研究員
外池 光男 工業技術院, 電子技術総合研究所・大阪ライフエレクトロニクス研究センター, 室長(研究)
川越 義則 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80234053)
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キーワード | 青果物 / 近赤外分光分析 / 官能評価 / 嗜好 / 感性 / 脳磁波 / 脳波 / テクスチャー |
研究概要 |
本年度は本研究費で購入した「近赤外分光分析計」および「酸糖度分析装置」を用いてメロン果肉の糖度を高精度で測定するための検量線を作成した。次に、果実断面の反射光のうち、ここで特定された4波長の反射光強度をCCDカメラで撮像することにより、果肉断面の糖度分布を非破壊計測する方法を確立した。また、トマトとリンゴの品質を評価するための標準的官能評価法を考案し、この評価法によるアンケートによりエチレン除去装置を利用した貯蔵トマトの鮮度保持効果を実証した。また、近赤外分光計により得られたリンゴ果肉の糖酸度と硬さを測定する検量線を作成した。他方、リンゴ果肉のレオロジー特性を圧縮破壊およびクリープ試験を用いて明らかにし、これらの特性値と先に作成した官能評価法から得られた結果との相互相関から人の味嗜好とテクスチャーを表現するのに適したレオロジ特性値を特定した。 他方、電総研大阪ライフエレクトロニクス研究センターに設置されている「脳磁計」を用いて、ミラクルフルーツを被験者に与えた場合の味覚誘発能磁波を計測した。その結果、ミラクルフルーツを摂取した被験者に再度強度の酸味を投与し多場合、酸味を感知する部位の能磁波が消滅し、甘み感知部位の脳磁波のみが検出された。これはミラクルフルーツが舌の酸味を検知する能力を修飾するために、酸っぱさを甘さとして感受することが明らかとなった。一方、今年度に購入した感性スペクトル解析システムを用いて、被験者に味溶液を与えた場合の誘発脳波を計測した。しかし、計測した脳波には眼球運動や咀嚼運動による外乱も検出されることが分かり、これらの外乱を除去する方法として「独立成分分析法」を導入して味覚の誘発脳波のみを検出する方法を確立した。
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