研究分担者 |
田代 賀比古 九州大学, 医学部, 助手 (10188237)
橋本 修一 九州大学, 医学部, 助手 (00243931)
河野 真司 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20225379)
中川 和憲 九州大学, 医学部, 講師 (50217668)
中島 豊 九州大学, 医学部, 助教授 (50135349)
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研究概要 |
動脈硬化-血栓症や糖尿病性血管病変など病的血管リモデリングやその合併病変として問題となる臓器虚血(梗塞)の病態解析、さらには治療法確立の為の基礎的研究として血管壁における遺伝子制御機構について以下の研究を進めている。 1. 遺伝子導入ベクターの開発とその生物学的有効性:HVJ-liposomeならびにその改良ベクターの生物学的特性、さらに新規のEBベクター・oriPシステムやSeVベクターの標的細胞選択性、発現効率と安全性についても比較検討中である。HVJ-liposomeは極めて安全であり、今後ヒトへの応用可能なベクターの候補として大変有望である。但し、発現効率、再現性や持続期間調節の可能なベクターとして他の新規ベクターについても検討を継続する。 2. 血管リモデリングにおける新生血管の病態学的意義:これ迄、動脈硬化進展の病理形態学的指標の一つとして硬化病変における血管新生が重要であることを明らかにしてきた。このことは1)動脈硬化を含めた病的血管リモデリングの発生病態を炎症・修復反応として総括しうること、2)その誘導因子としてVEGF・受容体系を中心としたサイトカイン網が重要であることを明らかにした。 3. 血管新生関連因子の遺伝子制御:病的血管リモデリングに関与しうる諸因子の産生制御法の開発の為に、炎症性サイトカインの転写誘導に関与するSp-1,AP-1,NFkB,Egr-1のデコイオリゴを用いたin vitro,in vivoの検討を進めている。これらデコイを用いてVEGF,TGF-β1,組織因子など血管新生に関与する諸因子の腫瘍細胞、平滑筋細胞産生制御に有効であることを見出している。現在、各種血管新生病動物モデルを用いた治療的有効性について病理学的検討を進めている。 4. 新規DICモデルの開発とNOの発生病態学的意義についてNFkB活性化機構を中心に検討し、過凝固抑制におけるNOの意義を明らかにした。
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