研究課題/領域番号 |
10307006
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮治 誠 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (40009494)
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研究分担者 |
三上 襄 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (40092100)
福島 和貴 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助教授 (90114321)
西村 和子 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (00114314)
田中 玲子 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助手 (60143319)
横山 耕治 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助手 (80092112)
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キーワード | 病原真菌 / 病原性放線菌 / 系統保存 / 形質発現 / 病原性酵母 / 分子遺伝 |
研究概要 |
微生物は、生物多様性条約締結に示されるように、国益にかかわる貴重な資源として認識され、各国の固有財産として保護されつつある。ヒトをはじめ多くの生物の研究はポストゲノム時代に入り、機能開発研究が微生物分野でも重要なテーマとして競われている。本センターには病原真菌を主に,病原性放線菌,マイコトキシン産生菌および関連菌を国内外から収集し,保存しているが、本年度更にこれら特性を有する菌類の収集・保存を促進した。本年度も従来からの保存株に新たに加えられた菌株を対象に、ヒト病原性真菌、放線菌ならびに生理活性物質の供給資源としての観点から研究を行い次のような結果を得た。医真菌領域では、パラコクシジオイデス症の原因菌であるParacoccidioides brasiliensisについて、本菌の感染マウス・パラフィン包埋ブロックからnestedPCR法により、本菌に特異的な遺伝子の検出に成功し、診断法としての可能性を示した。チトクロームb遺伝子については、Aspergillus属菌、Candida属、Cryptococcus neoformansの同定、分類に有用であることを先に示したが、さらに真菌症の診断に有効であることを動物実験で確認した。同定、種内多型の研究では、医真菌学上重要なCandida属菌、皮膚糸状菌を対象にPCR-SSCP法について検討し、本法が所期の目的に十分有用であることを明らかにした。 C.neoformansを対象にした交配行動と遺伝子塩基配列の関係に関する研究では、F1plogenyの中のdiploid株の内、通常と異なる発生過程を推測される両親の性質を共に受け継いでいる株を見い出した。生理活性代謝産物の研究では、Cladosporium属菌、病原性放線菌より抗真菌物質など新規生理活性物質の単離に成功した。
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