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2001 年度 実績報告書

新規ヒト血清肝炎ウイルスの本態解明と病原性に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10307007
研究機関自治医科大学

研究代表者

真弓 忠  自治医科大学, 医学部, 教授 (00049016)

研究分担者 高橋 雅春  自治医科大学, 医学部, 助手 (70326841)
西澤 勉  自治医科大学, 医学部, 助手 (30306112)
岡本 宏明  自治医科大学, 医学部, 助教授 (30177092)
キーワードTTウイルス(TTV) / 遺伝子型 / 複製中間体 / TTV DNA量 / 肝疾患 / 特発性肺線維症
研究概要

これまでの研究により、TTVは肝臓以外にも骨髄や肺臓などでも増殖しうることが明らかになった。また、TTVはDNAウイルスでありながら遺伝子配列の多様性が顕著であり、少なくとも23種類の遺伝子型に分類されうることが明らかになっている。それらを踏まえ、今年度は本研究課題の最終年度として以下の点を明らかにした。
家族の同意に基づいて得られた、肝不全で死亡した患者の剖検組織(肺、骨髄、肝臓、脾臓、甲状腺、膵臓、腎臓、筋肉、リンパ節)について、複製中間体としての2本鎖TTV DNAの有無およびそのDNA量を調べた結果、2本鎖TTV DNAは検索し得た全ての臓器、組織で検出され、肺、骨髄、肝臓および膵臓などで相対的に多いことが分かった。
以上のようにTTVの効率的な増殖部位は肝臓以外にも認められることから、肝疾患および肝疾患以外の疾患とTTV感染との関連性について検討した。その結果、非アルコール性脂肪肝患者において、1型TTV感染患者では非感染患者に比べて、肝細胞の壊死や炎症などの傷害程度が高く、線維化もより進展していることが示された。また、C型慢性肝炎患者、および原因不明の慢性肝炎患者を対象として血小板数を測定した結果、どちらの症例群においても1型TTVの感染が認められる患者では血小板数が有意に低下していることが明らかになった。特発性肺線維症(IPH)は難治性の原因不明の疾患であり、ウイルス感染との関連性が示唆されているが、その特定には至っていない。33例を対象とした小規模な調査ではあるが、1型を含む特定の遺伝子型のTTV感染例では1PHの疾患活動性が高く、予後も不良であることが示唆された。今後も原因が特定されていない各種疾患とTTV感染との関連性の追求が重要であると思われた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Okamoto H.: "TT virus : virological and genomic characteristics and disease associations"Journal of Gastroenterology. 36. 519-529 (2001)

  • [文献書誌] Okamoto H.: "Heterogeneous distribution of TT virus of distinct genotypes in multiple tissues from infected humans"Virology. 288. 358-368 (2001)

  • [文献書誌] Tsuda F.: "IgM-class antibodies to TT virus (TTV) in patients with acute TTV infection"Hepatology Research. 19. 1-11 (2001)

  • [文献書誌] Shibayama T.: "Inverse relationship between the titre of TT virus DNA and the CD4 cell count in patients infected with HIV"AIDS. 15. 563-570 (2001)

  • [文献書誌] Bando M.: "Infection of TT virus in patients with idiopathic pulmonary fibrosis"Respiratory Medicine. 95. 935-942 (2001)

  • [文献書誌] Tokita H.: "Influence of TT virus on histopathological features of nonalcoholic fatty liver disease"Hepatology Research. 19. 197-211 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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