研究課題/領域番号 |
10307012
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 毅 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50110656)
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研究分担者 |
宗像 靖彦 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20271950)
柴田 忍 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00271932)
船渡 忠男 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (70165455)
石井 恵子 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00291253)
亀岡 淳一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30261621)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / ヒトパルボウイルス / B19 / リボザイム / マクロファージ |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)の関節病変発現とB19持続感染の関連を明らかとするために以下のアプローチを行い、成績を得つつある。 B19感染症は一般的には急性に経過する。RA例でのB19の持続感染症は宿主における中和抗体活性能による可能性がある。 まづ、赤芽球様細胞株KU812Ep6またはマクロファージ系細胞株U937をB19に感染し、細胞内VP-1抗原の発現を検索した。その結果KU812Ep6ではVP-1弱陽性(dull positive:DP)及び強陽性(bright positive:BP)分画が存在した。一方、U937ではVP-1がDPのみを示した。B19急性感染回復後の血清はDP、BP所見ともに強く抑制した。一方、RA由来M.I.及び、B19持続感染Y.S.抗体はBPのみ抑制した。これより、以下の点が推定された。 (1)B19感染細胞には、異なるVP-1の発現型(DP、BP)が存在し、宿主側にはその異なる発現の各々を抑制する中和抗体の存在が推定される。RA例の抗B19抗体は非RA例に比して、質的に異なる中和抗体活性を有する可能性があり、これがB19ウイルスの排除困難、持続感染と関連する可能性があろう。 (2)B19の細胞でのレセプタ-を検索したところ、未知であるレセプタ-の存在が推定された。 (3)B19ウイルス機能蛋白であるNS-1の発現を制御するNS-1リボザイム(NS-1-RZ)につき、化学修飾し、B19感染との関連で追求した。化学修飾NS-1RZはNS-1遺伝子導入したU937のTNFαmRNA発現を特異的に抑制した。B19感染によるTNFα産生誘導のモデルと、その制御を示す所見とされる。
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