研究分担者 |
石川 隆俊 東京大学, 医学部, 教授 (30085633)
河田 登美枝 新潟大学, 医学部・附属病院・薬剤部, 助教授 (00186107)
申 偉秀 東京大学, 保健管理センター, 助手 (10211971)
上原 誉志夫 東京大学, 保健管理センター, 講師 (40184965)
阪本 英二 国立循環器病センター研究所, 室長 (40291067)
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研究概要 |
筆者らは昨年心筋症ハムスター(BIO 14.6)の責任遺伝子がδ-sarcoglycan(δ-SG)の欠失である事(Kawaguchi,H.,et al.Circulation 95:2441-7,1997)、また不活化したHVJとリポソームを結合させたHVJ-リポソーム(HL)を用いて、in vivoで生体内の心筋細胞内にβ-galも含む多種の遺伝子を強制発現させうる事を報告した(Sakamoto,A.et al.,Proc.Natl.Sci.Acad.USA.94:13873-8,1997)。今回、両結果に基付き遺伝子治療を試みた。 BIO 14.6の左室心筋内にβ-gal及びfull lengthのδ-SG遺伝子を含むHLを注入し、7日後に心臓を摘出後、常法通り免疫染色を行った。BIO 14.6の心筋はδ-SG抗体によって染色されなかった。BIO 14.6の心筋内にδ-SGとβ-gal遺伝子をco-transfectionさせた結果、細胞膜と細胞質にδ-SGが、細胞質にβ-galの明確な免疫染色が認められ、δ-SGとβ-galが共発現する事が確認された(Kawada T.et al.J.Card.Failure,in press)。従って今回用いた遺伝子導入法は今後の遺伝子治療を開発する上で非常に有用と期待される。更に効率の良い、長期間発現可能なベクターを開発して上記遺伝子治療を発展させる予定である。
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