研究課題/領域番号 |
10307021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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研究分担者 |
立花 章 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (20188262)
笹井 啓資 順天堂大学, 医学部, 教授 (20225858)
野田 亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (30146708)
大屋 夏生 京都大学, 医学研究科, 講師 (70281095)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 遺伝子治療 / 低酸素 / 放射線応答遺伝子 / 腫瘍特異的微小環境 |
研究概要 |
(1)低酸素誘導性ベクター系の開発 低酸素応答配列を組み込んだLuciferase Reporter Plasmidsを作成し、各種腫瘍細胞に導入後、低酸素下培養による遺伝子発現増強を検討した。低酸素刺激による特異的発現増強を得た。次に、発現効率を高める目的で制御領域の改変を行い、改良型のベクターを構築した。 (2)薬剤活性化酵素の発現による抗腫瘍効果の検討 薬剤活性化酵素発現ベクターを作成し、遺伝子導入したクローンを樹立した。低酸素培養後に細胞を回収し、Western法により酸素濃度と曝露時間に依存した蛋白レベルの発現増強が観察された。同様に、免疫染色法にても明瞭な細胞内発現が確認可能であった。続いて、薬剤による抗腫瘍効果を検討した。通常の酸素濃度では、殆ど野生型株と同等の薬剤感受性を示すのみであったが、低酸素特異的に抗腫瘍効果の発現を認め、これらのベクター系により、腫瘍選択的に遺伝子発現を制御できる可能性が示された。 (3)放射線応答性新規遺伝子の探索と遺伝子調節領域の単離 放射線応答遺伝子の同定を試みた。SAGE法では使用する制限酵素系を改変し、長い断片を得る手法を開発した。また独自のGene Trap法により、放射線照射に反応してレポーター遺伝子を発現するクローンを回収し、上流制御配列の単離した。候補クローンの一つより得られた配列は、c-IAP geneに一致した。プロモーター領域を含むと予測される3.5kbの断片をpGL3にクローニングし、放射線照射を行い発現増強を確認した。順次deletion constructsを作成、放射線応答に関わる領域を推定したところ転写開始点上流に存在するNF-kB結合配列の関与が示唆された。放射線応答配列を利用してレポーターおよびBax geneを発現する系を構築した。放射線照射による細胞致死効果の増強を認めた。 これらにより、低酸素および放射線応答性遺伝子治療ベクターの研究基盤が確立した。
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