研究課題/領域番号 |
10307026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 一和 京都大学, 医学研究科, 教授 (00172263)
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研究分担者 |
向山 政志 京都大学, 医学研究科, 助手 (40270558)
伊藤 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (40252457)
斉藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
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キーワード | C型ナトリウム利尿ペプチド / ノックアウトマウス / 局所調節因子 / 内軟骨性骨化 / 成長板軟骨 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、全身に広く分布し、神経ペプチドあるいは局所調節因子として作用すると考えられている。一方、我々は既にマウス胎仔脛骨器官培養系を用いて、CNPが骨軟骨形成促進作用を有することを明らかにしてきた(J.Biol.Chem.273:11695,1998)。本研究では、CNPの生理的・病態生理的意義を個体レベルで検討する目的で、CNPノックアウトマウスを開発した。 129/SvマウスCNP遺伝子の翻訳領域全長を含む第1、第2エクソンをネオマイシン耐性遺伝子にて置換したターゲティングベクターを作製し、相同組換え法によりCNPノックアウトマウスを開発した。野生型マウスの小脳および脛骨骨端軟骨ではCNP遺伝子発現およびCNP様免疫活性は検出されたが、CNPノックアウトマウスでは認められなかった。CNPノックアウトマウスは生直後より野性型マウスに比較して四肢体幹の短縮が認められ、10週齢のCNPノックアウトマウスの吻殿長は野生型マウスの約60%であった。軟X線撮影にてCNPノックアウトマウスの椎体と四肢長管骨に野生型マウスと比較して明らかな短縮が認められた。7日齢CNPノックアウトマウスの脛骨骨端軟骨組織像をアルシアンブルーHE染色にて検討したところ、成長板肥大化軟骨細胞層の減少が認められた。又、成長板軟骨に特異的にCNPを発現するトランスジェニックマウスとCNPノックアウトマウスを交配することによりCNPノックアウトマウスの骨格異常がほぼ完全にレスキューされた。内因性内軟骨性骨化調節因子として骨軟骨形成に関与することが証明された。
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