研究課題
基盤研究(A)
主剤であるサイクロスポリン(CsA)、タクロリムス(FK506)と7種類の新規免疫抑制を用いて移植実験を行った。FTY720はリンパ球ホーミング促進剤である。ラット心移植・肝移植では広い範囲で有効でありCsA、FK506との併用で有意に生存期間が延長した。イヌ腎移植・肝移植でもラットと同様な結果を得た。KF20444(KF)はピリミジン系代謝拮抗剤である。ラット心移植モデルでは、4mg/kg/day以上の投与量において毒性が多く出現するため3又は4日間隔投与で毒性症状を回避した。FK778及びFK779は、リンパ球の増殖を抑制する代謝拮抗剤である。ラット心移植でFK778及びFK779は、FK506やCsAとの併用投与で単剤治療群に比ベグラフト生着日数が延長した。イヌ腎移植モデルではFK778単独投与で生存期間が延長した。SZD-RADはRapamycin(RPM)の相似体で経口吸収に優れている。本剤はT・B cellのG1-S期への移行を阻害し増殖を抑制する。ラット肝移植モデルで生存期間が延長した。またCsAとの併用効果が明らかとなった。A802715は炎症性サイトカイン産制抑制作用に加え、CD28-B7のcostimulatory pathwayをブロックする。この薬剤は単独投与でラット心移植のグラフト生着日数を延長できなかったがCsAとの併用で生着日数が単独治療群に比べ延長した。CTLA4(Cytototoxic T Leukocyte antigen 4)Igは人工可溶性蛋白で、CD80/CD86と結合しCD28-CD80/CD86間のcostimulatory signalを遮断する事によりT細胞の活性化を抑制する。ラット小腸移植においてCTLA4Ig用いて十分な免疫抑制作用を得るにはより高い血中CTLA4Ig濃度を保つ必要性があると考えられた。
すべて その他
すべて 文献書誌 (10件)