研究課題
基盤研究(A)
現在加齢黄斑変性の治療での問題は、病変が黄斑部に局在し、レーザー光凝固法による治療が困難な場合が多いこと、さらに主として網膜色素上皮細胞の加齢に伴う変化が原因で、形成される新生血管膜の外科的除去に伴い網膜色素上皮細胞も一緒に除去されることがこの疾患の術後視力の得られない原因であった。自己虹彩色素上皮細胞移植を使う方法により、免疫反応を殆ど無視することができる加齢黄斑変性症の治療が期待される。我々は、患者自身の虹彩色素上皮細胞を培養し、神経栄養因子遺伝子を導入する技術を最終的に検討する。まず、培養ラット虹彩色素上皮細胞(IPE)が網膜色素上皮細胞(RPE)の代替細胞として利用可能かどうかについて検討した。IPEとRPEについて視細胞変性および保護に関与する栄養因子、増殖因子とその受容体の発現について調べたところ、発現量は異なるものの同様に発現していることが確認できた。また、RPEの重要な機能である貪食能について調べたところ、IPEの貪食能はRPEの約1/2と少ないものの同様に貪食能を有することが明らかとなった。また、この貪食能はbFGFやBDNFといった視細胞変性に対して保護作用を有する因子は貪食能を亢進させることがわかった。サルを用いて自己虹彩色素上皮細胞移植を実施したところ、移植された細胞は6ケ月以上、網膜下で生存していることが分かった。以上の基礎研究を終え、加齢黄斑変性症患者に対し、自己虹彩色素上皮細胞移植を実施した。現在までのところ、良好で副作用は認められていない。
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