研究課題/領域番号 |
10307046
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
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研究分担者 |
秋山 修一 昭和大学, 歯学部, 講師 (70276591)
自見 英治郎 昭和大学, 歯学部, 助手 (40276598)
宇田川 信之 昭和大学, 歯学部, 講師 (70245801)
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
山口 朗 昭和大学, 歯学部, 助教授 (00142430)
新木 敏正 昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
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キーワード | ビタミンD / 1α-水酸化酵素 / 副甲状腺ホルモン / カルシトニン / 腎臓 / 活性型ビタミンD / ステロイドホルモン / カルシウム |
研究概要 |
近年、日本は急速な高齢化社会への移行により、脳血管障害とカルシウム代謝異常に起因する成人病の増加が社会問題となっている。現在、我が国の高齢者人口は全人口の15%にも達し、紀元2000年には4人に1人が高齢者になると推定されている。我々は過去30年間、カルシウム代謝ならびに骨代謝の調節機序の解明を主要テーマとして研究を行ってきた。近年骨代謝研究はin vitroでの評価系が確立され、分子生物学の飛躍的進歩と相俟って骨芽細胞と破骨細胞の分化と機能発現のメカニズムの解明が分子レベルで可能となった。そこで平成10年度、生体のカルシウムの取り込みを制御するビタミンDの代謝調節機構について研究を行った。腎臓において活性型ビタミンDの合成を司る25-ヒドロキシビタミンD-1α-水酸化酵素の発現調節は、主としてビタミンD欠乏のニワトリあるいはラットを用いて調べられてきた。しかし、本酵素により合成させる1α,25-ジヒドロキシビタミンDはステロイドホルモンの一種であることから、血中濃度は一定に維持されている。そこで、我々がクローニングした25-ヒドロキシビタミンD-1α-水酸化酵素のcDNAを用いて、正常のカルシウム状態にある生体がどの様な機序で1α,25-ジヒドロキシビタミンDの恒常性を維持しているか明らかにする目的で本研究を行った。その結果、持続的な低カルシウムあるいはビタミンDが不足している状態では、腎臓は副甲状腺ホルモン(PTH)がサイクリックAMPをセカンドメッセンジャーにして25-ヒドロキシビタミンD-1α-水酸化酵素遺伝子の転写を促進していること、一方、正常のカルシウム状態にある腎臓はPTHではなくカルシトニン(CT)により1α-水酸化酵素遺伝子の転写が促進されることが明らかになった。
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