研究分担者 |
栗原 英見 広島大学, 歯学部, 教授 (40161765)
長谷川 絋司 昭和大学, 歯学部, 教授 (70014024)
石川 烈 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014151)
西村 英紀 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80208222)
米田 栄吉 東北大学, 歯学部, 助教授 (80108547)
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研究概要 |
[1]歯髄疾患の実態把握:レーザーによる窩洞形成後の歯髄反応について,断片化DNAの局在性を調べると窩洞形成後初期にレーザー特有の歯髄組織への影響が観察された(吉羽)。ヒト歯髄細胞培養系においてリポ多糖および炎症性サイトカインの刺激でVEGFの発現が強く誘導され,その誘導には転写因子AP-1の活性化が重要であった(松下)。ヒト歯髄結石中には1型コラーゲンとオステオポンチンが存在し,オステオカルシンとオステオネクチンは認められなかった(永田)。 [2]歯周疾患の実態把握:成人型歯周炎患者の歯周ポケット中のP.gingivalisとB.forsythusの検出率が術前後で有意に減少し臨床指標の動態と平行していた(八重柏)。歯周炎患者の末消血単核球を歯周病原性細菌で刺激することによってIFN-γが産生され,その産生量には個体差が見られた(石川)。炎症関連因子のmRNA発現量と肉眼的な歯肉の炎症所見との間に相関が認められ,歯周炎罹患部位が5つのクラスターに分類された(村上)。歯肉線維芽細胞においてIL-1で誘導される種々の蛋白の産生および前駆型から成熟型への移行が認められ(長谷川),bFGFの伝達機構として,細胞内小胞体からカルシウムを遊離させる経路と細胞外からカルシウムが流入する経路があることが示唆された(米田)。歯根膜細胞では,IL-1βがSPARCのmRNA発現を低下させ,COX-2のmRNAおよびPGE_2産生を増加させ,PGE_2はSPARCの発現を抑えた(栗原)。歯周炎症局所に集積した単核球を抗Fas抗体で刺激することによってアポトーシスが誘導された。すなわち,歯周病巣局所に集積した単核球はアポトーシスシグナルが欠落しているためにアポトーシスを回避しているという結果が機能面から支持された(西村)。
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