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2000 年度 実績報告書

絵画作品展示・輸送用マイクロクライメイトボックスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 10308004
研究機関国立西洋美術館

研究代表者

河口 公夫  国立西洋美術館, その他部局等, 研究員 (20249923)

研究分担者 塚田 全彦  国立西洋美術館, その他部局等, 研究員 (60265204)
キーワード美術品保存管理 / 環境管理 / 展示環境 / 輸送環境 / クライメイト / クライメイトボックス
研究概要

1.美術品が曝される温湿度変化の実データ収集
10、11年度に続き作品貸出の際に、輸送時及び展示期間に作品が曝される温湿度環境の連続計測を行った。今年度は特に寸法の大きい作品を輸送・取扱する際に注意を要するキャンバスの振動を軽減する方法について検討を加えた。今回検討した方法は張枠のあいている空間を額の裏板上に固定したポリエステルの綿で押さえるものである。この方法はキャンバス裏面の空間を減らすことで空気の移動を止めることができ、キャンバスの振動を軽減すると同時に、マイクロクライメイトボックスの主眼である温湿度の安定化にも有用であると考えられる。ここで用いるポリエステルの綿が温湿度の変化にどのように反応するかを、形状、綿内部の温湿度の変化を計測して検討した。その結果形状と厚みが若干変化することがわかり、導入時の形状および厚みの制御が必要であることが確認された。この方法を実際の貸出作品に適用して、有効に機能することが確認された。
2.温湿度変化に伴い絵画作品におこる変化の計測
大型恒温恒湿装置の制御の安定性に問題が生じ、原因の調査と調整に時間を費やした。またXZステージの制御と各種計測器によるデータの収集法について改良の必要が確認され、その改善に多大な時間を要した。そのため収集したデータは十分とは言い難いが、温湿度の変化による紙の形状、含水分率、等の変化について基礎的な知見を得た。
3.マイクロクライメイトボックスの素材と構造の検討
これまでに試行されてきた仕様のマイクロクライメイトボックスと、我々が試作した仕様のものとを比較し、ボックス内部の温湿度の安定化については良好な結果を得た。しかし材料の化学的な安定性に懸念が生じため、他素材の導入の検討を行い、その評価を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 塚田全彦: "美術作品輸送用クレートの構造と輸送中の温度・相対湿度の変化について(その1)"国立西洋美術館研究紀要. 4. 57-68 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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