研究概要 |
本研究の目的は,オブジェクトのアウェアネス(Awareness)を基準として,情報システムを評価し,システムユーザを主援する技術を開発することにある.本年度に得られた主な成果は次のとおり. 1. 情報空間モデルの構築…情報空間を構成するオブジェクト集合の構造や相互の関係を表現するためのモデルを構築した.特に,「ソフトウェアとユーザは情報を交換しながら互いの状態を変化させていく一つの系を構成している」とみなすことにより,情報システム,及び,オブジェクトのより多面的な計測が可能となった. 2. オブジェクト計測法の開発…(1)で構築したモデルに基づいて,オブジェクトを計測する具体的方法を開発した.システムオブジェクトの計測は,システムの仕様書やユースケースを対象としたツールによる自動計測とした.ユーザオブジェクト,及び,ユーザへのインタビュー,及び,システム利用時のユーザの視線の動きに基づく計測とした. 3. オブジェクト計測法の実装,評価・・・(2)で開発したオブジェクト計測法の有効性や妥当性を実験的に評価した.特に,システムオブジェクトの計測は自動化が可能なため,ワークステーション(WS)上で計測ツールとして実装した上で評価を行った.評価においては,,MetaCASEシステム,及び,インターネットのホームページを対象として,システムオブジェクトとユーザオブジェクトのずれを求めるケーススタディを行った.その結果,限定的にではあるが,開発したオブジェクト計測法の有効性,及び,妥当性を確認することが出来た.
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